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【読書】日本人のための世界史入門:小谷野敦、新潮選書

日本人のための世界史入門 (新潮新書)日本人のための世界史入門 (新潮新書)
小谷野 敦

新潮社 2013-02-15
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この本は、一般的に言われるような「入門書」ではない。
ある程度歴史好きで、山川の教科書を授業中以外もななめ読みしていたようなタイプでないと面白く無いのではないか。
詳しい説明と言うよりは、時間軸に合わせて、地球儀を一周しつつ、そこで起きていることを縦横無尽に切っていく。
小ネタをはさみつつ、時に手厳しいことを書く筆者の文体を心地よく読んでいける人にとっては、大変面白い本である。

だから書評サイトなどでは、散々だったり、感想を書くFacebookやツイッターでは賛否が極端である。

だが、山川の教科書が好きで、歴史的ななコネタが好きな私には、とても面白い「読み物」だった。

そう、この本は、解説書でも入門書でもなく、小谷野敦による3000年を一気につなげた読み物なのだ。

「歴史は偶然の連続である」「専門家でもない人は大体でいい」という2つのキーワードで「ものがたりのある歴史」を書いたものだといえる。

新潮社 書籍サイトより目次

序言 歴史は偶然の連続である
“歴史離れ”は「知」への軽蔑/歴史に“法則”なんかあるのか/拍子抜けの『銃・病原菌・鉄』/英雄史観と民衆史観の両方があってよい/江戸時代は「江戸時代」でいいじゃないか/物語のない歴史は退屈である
第一章 皇帝とは何か、王とは何か
「皇帝」「王」が意味するもの/古代ギリシアのトロイ戦争と『オデュッセイア』/「ローマ礼賛」への違和感/カエサルからオクタウィアヌスへ/私にはキリスト教がよく分からない/ローマ帝国の興亡/シナの王朝と三国志/ローマ帝国の東西分裂

コラム(1) 同性愛と宦官
第二章 あえて「暗黒の中世」と言ってみる
ローマ帝国滅亡後の世界/神聖ローマ帝国とイスラムの登場/歴史において想像力は害悪である/宗教と世俗権力の衝突/フランスにはなぜ女王がいないのか/意外と新しい英国の歴史/“キリスト教”と“イスラム教”の激闘/宗教は理性では理解できない/『水滸伝』の時代/チンギス・ハーンは本当にヨーロッパの脅威だったのか/恋愛はアラブからの輸入品か/「暗黒の中世」はキリスト教がもたらした/東洋の発見

コラム(2) 西洋の名前と五爵の制
第三章 ルネッサンスとは何か
「中世=暗黒」への反論/なぜ裸の女が描かれるのか/王権とは何か/英仏百年戦争とジャンヌ=ダルク/明とオスマン帝国/ルネッサンスの本場・イタリア/アメリカの発見と大航海時代/うわっつらなオリエント・ブーム/姦通や離婚と宗教改革/地中海から大西洋へ――覇権の移動/シェイクスピアの時代/旧教国vs.新教国/英国は不思議な国である/明の滅亡と太陽王・ルイ十四世/泣いても喚いても西洋の科学の発展にはかなわない/中世以降のヨーロッパは戦争の歴史である/啓蒙思想家の登場

コラム(3) 「曜日」と代表権
第四章 フランス革命と十九世紀
アメリカの独立/フランス革命はなぜ起きたのか/革命政府vs.ヨーロッパ諸国/皇帝ナポレオンの時代/第二共和制から第二帝政へ/アヘン戦争と近代化への抵抗/植民地とモンロー主義/ナショナリズムの時代/社会主義思想とユダヤ人迫害
第五章 日本の擡頭、二度の大戦
日清・日露戦争と激化する列強の覇権争い/ヨーロッパの没落とアメリカの擡頭/社会主義と共産主義/ファシズムと第二次世界大戦

コラム(4) 大統領、首相、書記長
第六章 現代の世界
戦後独立する国々/冷戦の幕開け

コラム(5) 歴史を歪める安易な呼称変更
あとがき だいたいでええんや



ただ、この大体が難しい。
どこをピックアップして、どこを捨てるのか。
その選択が、歴史教科書ですら誤っている上に、研究の進展で新たになった事実とやらで、素人にはどっちでも良いような年号の変更が相次ぎ、歴史教育の現場を混乱に陥れている(ように見える。

【読書】50歳以上は読んでおいたほうがよい本:こんなに変わった歴史教科書:2012年4月20日

内容は、新しい歴史教科書の話ではなく、昭和(1972年刊行)の中学の歴史教科書と平成(2006年刊行)の同じ出版社(東京書籍)の歴史教科書の記述を比較して、現れている違いと、その背景を記述したもの。



こういう本を読むと、イイクニ作ろう鎌倉幕府じゃないとか、足利尊氏の顔写真が違う人だとか、歴史上の細かい事実に新説が現れ、それを反映して教科書が変わっている。

でも、どっちでもいいんじゃないですかね?

確かに、入試のために年号を覚えましたが、それよりも、3代で終わった源氏の幕府が、なぜ鎌倉幕府という名のもとにその後何百年も続いたかというようなことを教わるべきだったなと思います。
歴史から何を学ぶべきかなんてことは、歴史教科書からは学ばないわけで、おとなになってから、もしくは受験勉強以外の読書で学ぶしかないですよね。

あと歴史に必然とか、正義とかを持ち込むとイデオロギーになるのですが、歴史の記述というのは「政権の正当性」を跡付けするために作られた書物をもとにするものが多いので、そういうイデオロギーに満ちたことになりやすい。

物語はいいですが、イデオロギーは困りますね。

古事記や日本書紀も物語として読むと面白いですが、イデオロギーのもとに語られると、ちょっと困ってしまいます。

そういう歴史からイデオロギーを外して、それでも大づかみにしておくことで、同じ過ちを繰り返さない程度には賢くなっておくことは大事だと思います。

そういう時に、この本を眺めておいて、大きな流れを頭に入れて、もう少し詳しい本や、細かい話を読むといいと思います。

そういう本でした。

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プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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