スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【観劇】こども・若草歌舞伎公演で考えた歌舞伎のお家のこと

doncho0401_convert_20130401143530.jpg
(会場の緞帳)

日曜日に、人形町で、子ども歌舞伎の発表会を見に行った。

nihonbasi0401_convert_20130401143707.jpg
(会場の日本橋社会教育会館は、小学校に隣接)

江戸時代の芝居の本場、昔の二丁町である人形町で歌舞伎を演じるというのも大変素敵なのだけど、子ども歌舞伎・若草歌舞伎の「発表会」ではなく、十分に「公演」と呼べるものだったことに驚いた。

最初の演目、松羽目物の「墨塗り」では、健気な黒子に感心し、達者なやり取りで笑いをとり、
続く「白浪五人男」の「浜松屋の場」という名場面、弁天小僧菊之助の名台詞で十分に酔わせ、
さらに口上で唸らせ、かっぽれ踊りも微笑ましく、見事な演目、見事な芝居だった。

演者には小学生から高校生までいるから、その出来栄えにばらつきはあるのは当たり前だが、内容を見て、演じた子供の顔ぶれを見ると、年齢よりも舞台へのあこがれの強さが、こうした実演の時には、大きな差になるのかもしれないと感じた。

3交代の配役なので、演技は見られなかったがかっぽれ等の踊りを見た中で、ピカイチだった子がやはり芝居も良い出来だったらしい。この子は中学1年生だけど、歌舞伎への熱意と憧れが一番強いのだそうだ。踊りをする、演技をするということ以上に、どう踊るか、どう演じるかを考える時に、自分を超えたあこがれの役者の真似をするというのが、この時代は重要だし、歌舞伎の場合はとくに型が要求されるので、その型をどういう鋳型から持ってくるのか、そこが上達の早道でもある。

自分なりにうまくやるのでは、いつまでも型どおりにはならないし、型がなければ文字通り「形無し」となるのが伝統芸能というものである。
だから、講師の言葉をうのみにするのも大事だが、その模範演技はやはり憧れの役者がいたほうが上達しやすい。

だから、芸能へのあこがれがきちんと強い子が早く上達するのではないか。
そして、当代の歌舞伎役者もまた、そうした憧れの型となるべき手本を自らの周りに持っているから、あれだけ息子世代がずらりと居並んでいるのではないか。

そんなことを考えたのは、この子ども歌舞伎の理念と関係がある。

この子供・若草歌舞伎を牽引するNPO日本伝統芸能振興会の専務理事であり舞台想像研究所の所長である竹柴源一さんが、幕間に話していたように、歌舞伎は3座が形成された江戸歌舞伎だけではないし、確かに、歌舞伎役者は歌舞伎のお家の子だけのものではない。だから、多くの子供達に開放したいという考え方は素晴らしいし、十分に賛同できる。

なので、こうした活動を支援したいという気持ちもある。

ところで、歌舞伎を大衆のものではなく、お家のものにしようと考えているのは、各家なのだろうか。
そこには、興行主としての松竹の存在が大きいであろうことも予想できる。

竹柴さんのお話にもあったように、たまたま松竹が興行主として歌舞伎を牽引しているから、結局、みんな松竹の興行に出ているけれども、松竹が歌舞伎を創始したわけでも何でもない。
でも、中村屋が自主公演をしていることを松竹が快く思っていないという噂もある。
どうも、この子ども歌舞伎についても松竹が裏で邪魔をしているようだという話も聞く。

ただ、歌舞伎の跡継ぎは実子という機運が戦後生まれたのは、さらに別の理由もあるように考える。
歌舞伎の家柄が実子を中心とするようになったのは、松竹の陰謀だけではなくて、むしろ、天皇家の有り様を始めとした、日本の家族制度の有り様の変化が背景にあるのではないだろうか。

松下電器も跡取りが女婿だったように、古来から商家は優秀な番頭などを娘と結婚させることで家を守ろうとするのに対して、武家は跡取り息子を大事にしてきた。
武家が官僚や企業に分散する中で、日本の中流家庭まで跡取り息子が大事で、養子縁組が少なくなっていく。
さらに、天皇家が乳母を廃し、将来の皇后陛下になる人が自ら自分の子供を自分の手で育てるようになっていくと(美智子さんことね)、そうした機運は日本全国に飛び火した。

芸養子よりも実子を跡取りにというのは、そうした機運と無関係ではないだろう。

さらに、興行が味方に付く場合もある。

例えば、梨園の出ではない坂東玉三郎はメインストリームではなかったのだけど、結局、興行が後押しをして歌右衛門の死後、大きな役を付けられるようになったし、今や人間国宝でもある。
最近では、ラブ様こと片岡愛之助が芸養子だ。

踊りから入るも良いし、部屋子が出世するのでも良い。
国立劇場だけではなく、この若草歌舞伎から歌舞伎界を変えるような役者が出れば、興行主も黙って入られないだろう。

結局、この公演は、芝居そのものだけではなく、その背景となる状況にまで考えさせられる舞台だった。

関連記事
amazon
楽天市場
Yahoo!
楽天
FACEBOOK
RSSフィード
add
プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

リンク
検索結果
カスタム検索
Twitter
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。