スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【読書】人間は気持ちを伝える猿である?:「つながり」の進化生物学(修正あり)

(1月22日修正あり)

1月25日発売の岡ノ谷一夫先生の新刊を頂いたのでご紹介。

「つながり」の進化生物学「つながり」の進化生物学
岡ノ谷 一夫

朝日出版社 2013-01-25
売り上げランキング : 138749

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


アマゾンでの紹介文は以下のとおり。

伝え合い、通じ合い、つながる――言葉で心を伝えるのがコミュニケーションだ。
では、私たちが発する「言葉」と「心」は、どこから生まれた?
「ヒトのはじまり」の謎に楽しく迫る、高校生への連続講義。

メス鳥が媚びをうる? 声マネして、ダンスするゾウ?
感情の「踊る砂時計」モデル。「笑顔」で人をだませない理由とは?
「人間くさい」動物たちと、ユーモアあふれる最先端研究から、言葉と心の起源が見えてくる。
言葉は「歌」から始まった。そして、心はひとりじゃ生まれなかった。

「コミュニケーション能力が大事」なんて世間のルールより、「ヒトはどんな生物か」を知ることが、人間をしあわせにする。
私たちの心は、進化の贈り物だ。



発行は朝日出版社(この本の紹介サイト)。
よく言われることですが、朝日新聞出版および朝日新聞とは何の関わりもないそうです。

朝日出版社は朝日新聞出版ではありません@togetter

橋下市長も間違うらしいから、念のため書いておきます。

本の話に戻すと、「つながり」という言葉で表しているのは「コミュニケーション」という日本語にしにくいけど、日本ではポピュラーになってしまった言葉に立体的な意味を持たせたかったかららしい。

そして「進化生物学」という難しい学術的な言葉がくっついている。

易しそうな言葉と難しそうなことばをくっつけて「あるタイトル」にするのはタイトルづくりの常道手法なのだけど、あまり成功しているホとはいえない。
ただ、タイトルは別にして、この本は「コミュニケーションの進化」が人間という動物の特徴的な進化だということを動物との平行進化から説明し、そのために様々な研究アプローチを使って岡ノ谷先生が進めているプロジェクトの意義を説明するものとして興味深い本なのは間違いない。

この本の企画は、高校生への連続講義を元にしているので、非常に平易に話が展開されているし、何より岡ノ谷先生の文章は読みやすいので、タイトルの「専門ぽさ」に構えるよりも、読み始めて欲しい本である。

同様の企画で、加藤陽子先生や西成活裕先生の本をものにした敏腕編集者・鈴木久仁子さんの手になる本なので、あとがきにあるように「産みの苦しみ」は大変なものだったらしい。(池谷裕二さんの本は担当編集者が違いました。私の思い込みでした。お詫びして修正します)
でも、岡ノ谷先生が三谷幸喜の「笑の大学」に例えた加筆修正の連続は、十分に報われたものになっている。

それでも、日本人は「戦争」を選んだそれでも、日本人は「戦争」を選んだ
加藤 陽子

朝日出版社 2009-07-29
売り上げランキング : 8036

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

とんでもなく役に立つ数学とんでもなく役に立つ数学
西成活裕

朝日出版社 2011-03-19
売り上げランキング : 136551

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


笑の大学[DVD] (PARCO劇場DVD)笑の大学[DVD] (PARCO劇場DVD)
三谷幸喜

パルコ 2012-04-01
売り上げランキング : 216280

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


つまり、圧倒的に読みやすくわかりやすいのに、最先端の研究内容がみっしり詰まっている。

ただし、科学は最先端になるほど、いつも仮説でしかなく、「これが正しい」とは言い切りません。
それが、科学者以外の人から見ればまだるっこしいだろうし、科学者は正確なことを言わない、という不信にもなっているかもしれないと、東日本大震災以降、私は考えているのですが、もちろん、この本も科学者が語るので、そうした「仮説」だらけ。

でも、その仮説がなかなかに魅力的で、しかも、割とこれまでに見たことがないものかもしれない。
たとえば、岡ノ谷先生の仮説としては、
・言葉は歌から生まれた(これは岡ノ谷先生の本を読んでいれば知っているかも)
・歌は情動から生まれた(気持ちの高まりから歌が出るって、なんとなくわかる)
・コミュニケーション場面では、言葉で嘘がつけても、言葉以外の情報では嘘がつけない(正直な信号だけが進化する)
・感情がことばを補強し、正確な情報を伝えていることで、言葉は発展した(言葉と感情の相互進化)

こうした仮説を導く研究が多く紹介されていく。
しかも、人間は既に進化しているから、動物の平行進化を参考に。
例えば、こんなもの。

・サルは、吠えるけど鳴かない。なぜなら、サルは息を止められないので呼吸をコントロール出来ないから。
・呼吸をコントロールできるのは、哺乳類ではクジラ類と人間。その他にはトリがいる。共通点は「鳴く」こと。

そして、こうした先行研究の中にある事実を組み立てて、仮説を展開し、その仮説を論証する実験を行なっていくのが「科学研究」というものだろう。
そうした科学研究で「人間の気持ちの動き(感情・情動)」に迫っていくのが岡ノ谷情動情報プロジェクトという研究プロジェクト。

この本にも、プロジェクトの成果が多く紹介されている。
ぜひ、お手にとっていただいて、心の研究の最先端を知っていただきたい。

「つながり」の進化生物学「つながり」の進化生物学
岡ノ谷 一夫

朝日出版社 2013-01-25
売り上げランキング : 138749

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


言葉と歌の話については、他にも面白い本がありますので、そちらもどうぞ。
言葉はなぜ生まれたのか言葉はなぜ生まれたのか
岡ノ谷 一夫 石森 愛彦

文藝春秋 2010-07-13
売り上げランキング : 3654

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

言葉の誕生を科学する (河出ブックス)言葉の誕生を科学する (河出ブックス)
小川 洋子 岡ノ谷 一夫

河出書房新社 2011-04-13
売り上げランキング : 29022

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

さえずり言語起源論――新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波科学ライブラリー)さえずり言語起源論――新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波科学ライブラリー)
岡ノ谷 一夫

岩波書店 2010-11-26
売り上げランキング : 138926

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連記事
amazon
楽天市場
Yahoo!
楽天
FACEBOOK
RSSフィード
add
プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

リンク
検索結果
カスタム検索
Twitter
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。