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【読書】食べログの対極にある本:東京百年レストランⅡ



この本を紹介するまでに、少々時間が立ってしまった。

その理由は、筆者の伊藤さんに最近会ってないからなのだけど、今年はどこにも出さなかったので、頂いた年賀状への返事代わりにブログで紹介させていただくことにした。
東京百年レストランII――通えば心が温まる40の店東京百年レストランII――通えば心が温まる40の店
伊藤 章良

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この本は、いわゆる「美味しい店本」やら、ミシュランだのザガットサーベイだのとは全く違う本である。
紹介されている店が、この本に載っていることは、伊藤さんの評価なのではない。
伊藤さんの敬意なのだ。

すでに齢50を過ぎた伊藤さんは、もう、自分が教わる側ではなく、教える側に来ていることを感じている。

私は、伊藤さんより1~2歳下だけど、なかなか自分が若い時に周囲の大人に教わったように、自分が教えていないなあ、と思う。本業はまだしも、バーのカウンターや、飲食店での振る舞いなどについて教える機会がないのは残念だし、また自分たちの世代の義務を果たしていない気にもなる。

伊藤さんは、自分が人生をかけて好きでやってきたことについても「教える側」になってしまったことに気づいたことが、この本の執筆の原動力になっているのではないか、と推察する。

だから、この本はきっと、伊藤さんが敬して止まない店を紹介する文章を通して、伊藤さんという人が飲食の世界から教わったこと、学んだこと、感じてきたことを、感謝とともに社会に還元していく本なのじゃないか。


伊藤さんは長年、愛飲愛食家として文章を書いている。
雑誌連載やブログも評判を得て、一時期ガイドを務めていたオールアバウトから理不尽な仕打ちを受けたことでも知られる。

その伊藤さんが、今紹介したい店、という切り口ではなく、この店を通して自分が書きたいことを書く、という手法で、まだ見ぬ愛飲愛食家の後輩たちに、そして店の主人たちに、何かを伝えたいというのが、この本のシリーズなのだと思う。

なぜなら、雑誌でもウェブでも「新しい店」「人気の店」ばかり取り上げるが、取り上げたあとは梨の礫だ。
誰も責任を取らず、ちやほやするだけで、混乱させるばかり。
そんな紹介本に辟易した人が、それでも飲食店を紹介するというのはどういうことなのか。

それは、文化を紹介したいからだろうと思う。
そして、紹介した文化を守りたい、継続していきたいと思うからだろう。

この本は、そういう飲食文化について、一人の愛飲愛食家が日夜思考していることを書いた本なのだ。
でも、そんなことは一言も書いてない。
だって、そんな無粋なことを書くのは、伊藤さんの本分ではないから。
だから、この点は私の邪推である。

あと、この店で紹介している店に興味が無い人でも、さとなおさんとの対談は読んでほしい。

名著「東京百年レストラン」の続編が発売されています@さとなお.com

ちなみに、この本の巻末にボクとの対談「外食はどこへ向かうのか?」も載っています。

ボクはこの5年ほど、多忙を理由にずいぶん店の開拓を怠ってしまっている上に、「おいしい店リスト」もほとんど更新しておらず、ずいぶん外食事情もわからなくなってしまっていますが、この本を読んでもう一度きちんと向き合いたいと強く思ったですね。



これだけでもお得。
そして、二人のリレーブログ「うまい店対談」もおすすめ。

最近は、これを読んで店に行こうと思うよりも、読んだだけになってしまうことが多いのだけど、同世代の二人がまだこれだけ食べ歩いていることに敬意を評したい。
でも、いまは、うまいものよりもゴルフに行きたいのが私だったりするけれど。


この本の装丁がほんとうに素晴らしいと思うのだけど、それだけに帯が残念。
まあ、わかりやすくするためだとは思いますがね。
東京百年レストランII――通えば心が温まる40の店東京百年レストランII――通えば心が温まる40の店
伊藤 章良

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そういえば、Ⅰとは発行先が変わっているんだなあ。
梧桐書院さんはお元気だろうか。

Ⅰの紹介は、こちら。

書き手の覚悟を感じる:【本】百年レストラン

一読し、ほんとうに素晴らしいと感じた。
何よりも、この本は「レストラン」という場所がどういうものであって欲しいか
その見解を伊藤さんが「覚悟」を持って書いていることが感じられる。

伊藤さんはもちろん無類の愛飲愛食家なのだけど、
レストランガイドを書いている人の中でも本当に尊敬に値すると私が思うのは、
その店の料理や酒だけではなく、その店で過ごす体験を紹介してくれるからなのだ。


東京百年レストラン ‐大人が幸せになれる店‐東京百年レストラン ‐大人が幸せになれる店‐
伊藤章良

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プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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