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【科学】iPS研究の大事なのはここから:2012年10月11日



今年はなんといっても山中伸弥先生が生理学・医学賞を受賞されたので日本が盛り上がってますが、相変わらずその報道は「国粋主義」的で、同時受賞の方(ガードン博士)の研究もすごいんだけどなと思います。


(東北大の大隅先生がブログで紹介されていましたね。こういう時にサイエンス・コミュニケーションという言葉が必要で、大隅典子先生のような方がこういう記事を書くというのが素晴らしい。)

さて本題。

山中伸弥所長がノーベル生理学・医学賞を受賞!@京都大学iPS細胞研究所

ノーベル財団(本部:スウェーデン)は、日本時間の10月8日(月)夕方、ノーベル生理学・医学賞を山中伸弥 iPS細胞研究所長(米国グラッドストーン研究所上席研究者)に贈ると発表しました。共同受賞者は、ジョン・ガードン卿(英国ケンブリッジ大学ウェルカム・トラスト/英国癌研究基金ガードン研究所教授)です。受賞理由は成熟した細胞を多能性を持つ細胞へと初期化できることを発見したためです。




予想していたのかどうか、iPS研究所が、このタイミングでシンポジウムを開いていたのもすごいですよね。

ノーベル賞山中教授「予想外の受賞」シンポであいさつ@スポニチアネックス

 ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥教授(50)が10日、所長を務めるiPS細胞研究所主催のシンポジウムであいさつし「皆さんのご尽力、ご協力の成果でもたらされた予想外の受賞で、心より感謝する」と述べた。人工多能性幹細胞(iPS細胞)をめぐるシンポで京大で開催した。



山中先生には国から多額の研究費が出ていますが、今の研究費って大体が期限付きなので、何らかのファンドを取り続けないと継続できないわけです。
そのファンドを取るための作業がまた大変なので、山中先生とその事務方はファンドを取り、そのファンドを更新する手続きとか企画書とか報告書とか、こうしたシンポジウムの運営とかで忙殺されていることでしょう。
日本は静かに長く継続して研究を進めていこうという状況にはないからです。
競争的資金とか重点的課題とか言い方は色々ありますが、その時時に応じて申込み続けないといけない。

しかも金額も巷間言われるようにアメリカやヨーロッパとはだいぶ格差があります。
山中先生ほどの研究者でも大変なのですから、それ以外の研究分野、研究者はもっと大変な格差の中で競争を強いられているでしょう。

その点は、このエントリとは別の話になるのでやめておきますが、山中先生が「日本国の支援」といったのは、そう言わざるをえないくらい日本のファンドが偏っているということでもあります。

その中で、こういう動きはいいなと思います。

「iPS研究支援したい」 山中さんに寄付急増 @日本経済新聞

 ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大教授、山中伸弥さん(50)の研究を支援する寄付が急増している。寄付を募ってきたインターネット上のサイトには、8日夜の受賞決定から10日正午までに約590件、約550万円が寄せられた。山中さんが所長を務める研究所への直接の寄付申し込みも約300件に及ぶ。難病患者や家族の寄付も目立っている。



こういう個人の寄付とか個人の資産で研究所というのがアメリカの研究を支えていると言われます。
日本でもそういう動きが(たぶん昨年の大震災での経験によって)広まったのはスゴクいいことだよなと思います。
でも、それでも趣味とはいえ、そのために山中先生が京都マラソンを完走するというのはどうかと思いますが。

研究所には、研究基金を募るページもあって、そちらにも寄付が集まっていることでしょう。
政府には、直接金を出す約束よりもこういう寄付への免税をお願いしたいものです。



私も以前、iPS細胞に関するエントリを書いているので、アクセスがありそうですね。

関連エントリ:で、iPS細胞って何の略?:2009年6月24日

iPS細胞を作った研究は山中先生のものですが、すでに研究のステージは、そのiPS細胞で何をするかになっていて、その研究グループは日本国内にも、もちろん世界中にもあってしのぎを削っているわけです。

5日の朝刊にも、研究成果が載っていました。

【iPS卵子からマウス】京大、世界初  「生命作製」倫理に課題@47ニュース

 さまざまな組織や臓器の細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って卵子を作製し、通常の精子と体外受精させてマウスを誕生させることに京都大の 斎藤通紀教授らのチームが世界で初めて成功し、米科学誌サイエンス電子版に4日発表した。



さらに、マウスだけではないようです。

ヒトのiPSから精子や卵子になる細胞?作製…慶応大@YOL

 様々な組織や臓器に変化できる人間のiPS細胞(新型万能細胞)から、精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」とみられる細胞を作製することに、慶応大の岡野栄之教授らの研究チームが成功した。国内では初めてという。



生命とは何かに迫るとか、不妊症の原因を探るとか、最後には何かに応用するようなことを書きますが、それ以上に研究者を突き動かしているのは、競争だったり、好奇心だったりするわけです。
「作ってみたい」という思いですね。

でも、作れるからといって作っていいのか、とか、出来る事はみんなやっていいのかとか、iPS細胞というのは、そういう科学と倫理の世界が今後のテーマになる分野だと言えそうです。

それだけに、受賞後の記者会見の中で、山中先生が言った言葉は重い。

iPS研究所に倫理専門家を…山中教授が意向@YOL

山中伸弥・京都大教授は8日夜の記者会見で、自身が所長を務める同大iPS細胞研究所(京都市左京区)に、研究倫理の専門家を迎える考えを示した。



すでに文科省のルールなどがありますが、やはり現場での対応スピードを上がるには、現場にいないとね。
でも、こうした人材がなかなか育っていないのもまた現実ではないかと思います。
マルチな専門領域を横断する人材というのが、日本の弱点ですからね。

まさに、山中先生が言った様に、研究としても、その周辺の体制づくりとしても、「ここから」始まることは多いというのが、今回のノーベル賞なので、一時の騒ぎではなく、継続した研究費と研究環境をお願いしたいものです。

それには、国の金だけではなく寄付を利用できる環境も必要ではないかと思います。
いろんなことを考えさせられるノーベル賞でした。

最後になりますが、山中伸弥先生の受賞を心よりお慶び申し上げます。

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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
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2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
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