スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

時代が変わっても「影」は影:【観劇】アリストパネスカンパニー「大逆の影」

22日に、マイミクあゆみさんが出演されたアリストパネスカンパニー第30回公演「大逆の影」を見てきました。
あゆみさんのサイト

30_omote_big.jpeg

27日の日曜日まで公演中なので、ぜひお時間ある方は行っていただきたいのですが、
実に狭いアトリエ公演なので(50席くらい)チケットが無いかもしれません。
詳しくは劇団にお問い合わせください。

サイト:アリストパネスカンパニー

ということで、まだ公演中なので芝居の中身は詳しく書けませんが、
ちょうど100年前に刑が執行された明治の無政府運動弾圧事件として知られる
大逆事件に巻き込まれる和歌山県新宮市の医者(大石誠之助)一家の話です。

大逆事件についてはwikipediaでどうぞ→こちら

芝居の感想を一言で言うと、久しぶりに見た「ド新劇」という芝居でした。
出演者も文学座や俳優座、テアトル・エコー、円など
そうそうたる新劇劇団の出身者や現所属の方ばかりで、
確かな演技に裏打ちされたしっかりした舞台でした。

ただ私は、オウム事件の最終判決が出たタイミングだし、
今年はいろいろな事件もあったしということで、
芝居の筋とは別のことを考えてしまいました。

この芝居では、幸徳秋水というアナーキストと関わったことから、
洋行帰りで人権的な思想に触れたエリート(医師であり、資産家の子息という意味でも)が
大逆事件の被告として突然死刑判決を受けます。
彼を中心に、町の人達と家族の事件までの7~8年の出来事が2時間強の中に織り込まれています。

幸徳秋水の掲げる理想や夢を客観的に「無理」といえるだけの知性と理性のある医師が、
思想を先鋭的に推し進めようとする若者の暴走に巻き込まれる。
エリートが思想にかぶれたり、純粋培養な若者が暴走する当たり、
なんとなく、オウム事件を思い出させるところがないわけでもない。

大きな違いは、その背景にある法的手続きかもしれません。
明治期の大逆罪が下された事件がおこしたのは爆裂弾の製作だけで、
しかも襲撃計画は未遂におわっています。
大逆事件というのは色々と見方がある事件で、
日清・日露戦争に勝った日本が、いわゆる「坂の上の雲」に手が届いて、
ちょっとおかしくなっていく時期に起きた社会主義弾圧なので、
政府が司法に介入した特殊性があります。

1995年にオウム真理教が起こした天下国家転覆のためのサリン事件、国松長官銃撃事件、坂本弁護士一家殺人事件などの諸事件、さらに未遂に終わったサリン散布計画や1000丁の自動小銃による首都制圧と比べて見れば、大逆事件の被告たちは何も起こしていないに等しい。
それでもアナーキストを封じ込めるために短時間で判決を進め、
幸徳秋水以下実行犯もそうでない人間も含めた12人を一気に刑を執行した明治政府と、
裁判だけで16年かかり、結局、麻原彰晃の動機がなんだかわからないままに実行犯の死刑がようやく確定した現代の司法制度。
どちらが良いかといえば、それは今のほうが人権が守られているわけですが、
見比べて考えると釈然としない気持ちにもなります。

ただ、加害者も被害者も家族があるわけです。
家族の生活は進行形で、街を出れば、事件とのかかわりなど誰もしらない暮らしが待っていた明治期と違って、いまはマスコミが追っかけてくることもあるだろうし、情報は世界中に回っているから、逃げにくい。

また、家族といえば、もう一つ気になったことがあります。
それは、いま東電社員の家族は肩身が狭い思いをしているのではないだろうかということ。
原発担当であろうとなかろうと、彼らの罪であろうとなかろうと。
学校で子供たちはいじめなど受けていないだろうか。
買い物に行く先で影口を叩かれたりしていないだろうか。

そういう庶民の体質、日本社会の陰湿さは、この芝居が描く明治期の田舎と、
少しも変わっていないかもしれません。

芝居そのものよりも、ここで描かれた日本社会の「影」が現代社会で何を起こしているのかが、とても気になったのでした。
そういう意味では、いまこの芝居を上演する理由が、
大逆事件100年というタイミングだけではなく、極めて多面的に浮かび上がってくるかもしれません。

それだけに、多くの人に見てもらって、何かを感じて欲しい芝居でした。
繰り返しになりますが、27日までです。
関連記事

テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

amazon
楽天市場
Yahoo!
楽天
FACEBOOK
RSSフィード
add
プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

リンク
検索結果
カスタム検索
Twitter
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。