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女性の暮らしに現代が投影されているということかな:【観劇】六月のクリスマス

昨日、エントリアップしたように、10月9日(日)に下北沢・『劇』小劇場で、
パニック・シアターVol.23 海外新作シリーズ「六月のクリスマス」を見てきました。

関連エントリ:演劇は「心の苦しみ」に効く良い薬

ここ5年、連作で取り上げているイザベル・ドゥ・トレドさんの最新作。

第22回公演:私だけのクラーク・ゲーブル(エントリ:私だけのクラーク・ゲーブル

第19回公演:タンゴに乗せて(再演)(エントリ:観劇「タンゴにのせて」

第18回公演:ラウルの足あと

第16回公演:タンゴに乗せて

とこの5年間でトレドさんの作品は4本目で5回目の上演となったわけです。

今回は、4姉妹と次女の娘の5人の女性が『6月のクリスマス』を祝う場に
次女の元同僚である老女が訪ねてきたことをきっかけに、
そして、次女の元夫、娘の父親であり、老女のあこがれの人でもあった
登場しない男性の話を交えて、6人の女性の人生が少し変わるという話。

トレドさんは、翻訳・演出・出演の中村まり子さんと同様(共通?)して
ファザコンが投影された主人公や人物設定が多いのですが、
今回も娘や老女のセリフに父親との関係が色濃く投射されていました。

実はタイトルとなっている『6月のクリスマス』というのも、
彼女たちの父親の死と関係していたので、きっかけは母親が言い出したことでも
やはり父親と娘という関係を投影しているのかもしれません。

あ、6月のクリスマスというのは、
10年前に父親が12月24日の深夜25日未明に亡くなったので
母親がクリスマスを祝う気にはなれないけども、
離れてパリに暮らす次女以外の3人が帰ってきて一緒に祝うクリスマスは続けたい、
だから、12月から一番離れていて、日の長い季節である夏至の頃にクリスマスを祝うことにした。
という設定でした。

夏至の長い昼間と、その夜に起こる4姉妹の右往左往は、
両親の離婚でたまにしか会えない父親との旅行が
父親が新しい恋人と旅行に行くからとキャンセルになったことを
楽しみにしている娘に伝えられない次女に代わって、姉妹が伝えるとか
悲しんだ娘がバスルームにこもって自殺すると叫ぶと、
叔母たちがみんなで『ならばあの男を今から殺しに行ってやる』と叫び返すとか
誰も一緒に過ごす人がいないからと訪ねてきた老女が、
息子と嫁と折り合いが悪いと思い込んでいて、
しかもその理由が息子が医者になるのを諦めて
オーストラリアに移住してしまったことにあるのを、
彼女に息子に今ここで電話をして寄りを戻すべきだと4姉妹が説得し、
電話したところ、息子に二人目の子どもが授かったので世話をするために
オーストラリアに来てくれないかと電話で言われるというどんでん返しがあったり、
まあ、フランス人らしいのだろうけど、日本人にはややオーバーな日常が幾つか挿入されつつ、
結局、両親と暮らした家を処分することに決めるという次女の決意で終わります。

そして、最後は、翌年、他人のものとなった家の庭に集まり、
6月のクリスマスを祝おうとする4姉妹。そこに携帯電話宛にかかってくるのが
絶縁状態だった息子夫婦のもとに行った老女と、
彼女の頼みでついていった娘がオーストラリアからかけてきたものだったり、
なんだか知らないけどABBAを歌おうとして曲でもめて、
そうした喧嘩もまた嬉しくも物悲しい思い出を含んでいるのだというエンディング。

まあ、挿話の連続で、それをセリフでつないでいくセリフ劇なのですが、
短いセリフの積み重ねで、登場人物の状況や関係がわかりやすい見事なものでした。
そこに起こる出来事、失った過去、現在進行中の抱えている問題、
それらが、6人の6世代(10代から60代まで)の女性に散りばめられ、
それが見る人の年代や境遇と対比されて、様々な形で反射してそれぞれに刺さるものでした。

演じる女優さんたちも、20代から70代まで、新劇、SKD、宝塚、映画等出身もさまざま。
そんな個性がぶつかり合い、引き出しあい、重なりあって見事なハーモニーになっていました。

私は男性なので、ふむふむとは思うものの、それほど深く感じ入るところまでは行かないのですが
一緒に見に行った妻が、色々と思うところも、刺さるところも、痛いところもあったようで
微妙な顔をして見終わっていました。

でも、そういう自分に照らしあわせて考えられる芝居というのもなかなかないものです。
しかも、この年になればなおさら。

観客も、こうした出演者を投影して、広い世代の女性がメインで満員でした。
きっと、それぞれ渡しなぞが気づかない細かい点に感銘したり、共感したりしていたんでしょうね。
笑いだけでなく、うなづきとか、ため息の多い芝居でした。

こうした大人の演劇をもっといろいろな場所で見たいものだと思いました。
それが、日本の文化度を反映するのではないでしょうかね。


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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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