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将棋と脳科学の幸せな連携:理研サイエンスセミナーⅣに行ってきました

六本木ヒルズには何度行ってもなんとなく引け目を感じる自分がいる。
そこで科学セミナーが行われることにもなんとなく違和感を感じる自分がいる。

でも、この壮大な建物もそこで膨大な利益を上げている人たち(IT系が多い)も、
実は科学の成果の恩恵を受けているわけだから、
この建物で科学を語るのは、実はとってもふさわしいことなのかもしれない。

さて、そんな六本木ヒルズに行ったのは理研サイエンスセミナーを聞くため。

RIKEN Science Seminar IV 特別編@RIKEN
>3月11日(金)に発生した東日本大震災の影響により中止したRIKEN Science SeminarⅣ特別編(当初3月12日(土)開催予定)を下記の通り6月25日(土)に開催することといたしました。

私は、3月の時点で申し込んでいたので、リベンジというか待ちに待ったという感じ。

>今回は特別編として、理研脳科学総合研究センターで2007年から行われてきた将棋棋士の“直観”を解明するプロジェクトについてお話します。
プロの将棋棋士が盤面と睨み合い、次の一手にかかるその間、脳の中ではどんな活動が行われているのでしょうか。コンピュータの発展がめざましい現代においてもなお、人間の力がコンピュータの計算力をしのぐ、その秘密は、人間がもつ直観にあるようです。
理研・富士通・日本将棋連盟はその理由を探求するプロジェクトをはじめて3年が経ちました。若いころから、専門的なトレーニングを積んだプロの将棋棋士のみなさんの協力を得て、直観とは何かに迫ることができるようになってきました。
今回は、気鋭の将棋棋士森内九段、渡辺明竜王と研究者の対談を通して、人間がもつ直観についてみなさんと考えてみたいと思います。モデレータは、2011年第4期「マイナビ女子オープン」で初タイトル女王を獲得、精力的に活動中の上田初美女王がつとめます。



なんといっても今回は内容が素晴らしい。
だって、将棋と科学のクロスオーバーなんて、私のブログを読んでくださっている方なら
私が好きそうだなと分かってくださるだろう。

私はこんなエントリを書く程度には将棋好きなんです。

関連エントリ:「3月のライオン」はストーリーの詰将棋だ

しかも、今話題のスパコン「京」を作った富士通と理研の共同研究ですからね。

第1部が将棋プロジェクトの成果

伊藤正男先生、中谷裕教研究員、田中啓治BSI副センター長、山川宏・富士通研究所研究員からの
研究成果の報告が一人20分程度ずつという、これじゃ良く解らんだろうという時間の中で
それでも、要点をよく説明していたと思いますね皆さん。

要約すると、プロ棋士での特徴が見つかったことが成果。
大脳基底核という部分がプロ棋士では働いているけど、強いアマ棋士でも働いていない。
直感を生み出すプロセスが異なる上に、正答率が短時間ほど高く、
正解である直感が最初のほうで見つかっていることが多い。
これは、2部で森内新名人羽生さんとの対決を制したばかり)、渡辺竜王
「最初に2,3手浮かぶのであって、、あとからいい手が浮かぶことはない」
という長考中の思考に関する質問の答えにも当てはまる結果だった。

最後の富士通研究所の山川さんが、この成果が「専門家の価値判断」のどこが優れているかのモデルになるという話が面白かった。
プログラムなどでエキスパートモデルという言い方があるが、
この脳研究では、まさにエキスパートはどういうモデルで思考しているのかがわかるのではないかというのだ。
たしかにベテランになれば、図面でも報告書でも、経理書でも
なぜかは分からないが、瞬時に判断して、それが「悪い」ことがわかる。
「良い」ことは価値の違いもあるが「悪い」ことはだいたい共通している。
その「悪い」場面、状況をどう判断しているのかがわかるのではないかということだ。

将棋のエキスパートであるプロ棋士は局面を判断する際に特定のコマに注力していて
それで局面が良いか悪いかの判断スピードを上げている。
だから、プロ棋士が多くのアマと同時に対局できるのだそうだ。

そのコマは、王と飛車が9割、続いて角と銀で7割、その次に金、歩がくる。

金よりも銀のほうが上というのがプロ棋士とアマの違いではないか?
銀は作戦の鍵を握るコマで、たしかに銀の名がついた戦法は多い。
だから銀で状況を判断するのだろうという解説だった。

この辺は将棋との脳科学の幸せな関係が見えて楽しかった。

第2部のトークショーは、研究者と森内、渡辺を交えての対談というか雑談。
そして、会場からの質問に答えるという展開。

森内名人の「私も渡辺竜王も合理的な人間なので、あまり多くのてにトライしてみるということはしないのですが、この間対戦した方は、どうも色々なことをおやりになるので……」という答えがあって、
思わず「それっと羽生二冠?」と思ってしまった。

こんな記事もあったから。

あそこまでひどい形に…羽生、名人位失冠も執念の投了図@MSN産経
>「負けるにしても最後はきれいに形を作るのがプロ。羽生名人が投げ切れずに、あそこまでひどい形になったのは珍しい」。名人が3連敗のあと3連勝。名人戦初の展開で、勢いに乗る羽生有利と見られていただけに、悔しさのにじむ投了図だったようだ。 

全体を聞いて思ったのは、大脳基底核にモデルを落としこむという作業が出来ていることが
プロフェッショナルとして、エキスパートとして、思考プロセスを築いたことになるということなのではないか、ということだ。
そして、大脳皮質ではなく大脳基底核に「落としこむ」には、
からだに叩き込み、意識化に定着させるくらいの膨大な体験、ある時期の集中した没頭が必要なのではないか。
プロ棋士になるには10代の全てを将棋に費やすくらいの集中が必要だという。
それは、知識をベースにした有効な直感を築く思考モデルを形成するには
ある成長の一時期を犠牲にして「からだに叩き込む」必要があるからではないだろうか。

24時間、365日。ひょっとしたら1万時間
寝ている間も詰将棋を解くくらい、将棋に没頭出来た人間だけが
大脳基底核に思考モデルを築くチャンスを得られるのだ。

体で覚えないと有効な直感が働かないというのは、脳科学の成果として中々に皮肉なことではないか。

将棋にますます興味が深まった土曜日の午後だった。


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プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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