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「3月のライオン」はストーリーの詰将棋だ

今頃になって、羽海野チカ「3月のライオン」を5巻イッキ読みした。

Wikipediaによれば
>『3月のライオン』(さんがつのライオン、March comes in like a lion)は、羽海野チカによる日本の漫画作品。将棋を題材としている。『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年第14号から連載中。
将棋監修は棋士の先崎学八段。


元々は、失敗の女王:Kasokenさんこと内田麻理香さんのブログで知った漫画で

[本]3月のライオン@KASOKEN satellite
>今まで読まなくて損してました。かつて「ハチミツとクローバー」の1巻で挫折して(甘酸っぱいラブストーリー風味だけかと勘違いして)避けていたんですけど、ストライクゾーンど真ん中でした。ある方に、羽海野チカさんは「『スラムダンク』敬愛の彼女だけに……いやそれ以上にスポ根。そしてハチクロも"表現"スポ根」と教えてもらいました。となるとハチクロも読んでみようと決意(なんて余裕、今はないんですがほんとうは)。


とあって、あのガンダム好き、浦沢直樹好きの内田さんが薦める漫画ならば間違いはないなと思っていた。
しかも、ウチでは既に妻が全巻持っていたということが分かり、
すぐに妻に借りたのだけど、なかなか読む余裕がなかった。

だって、こう言うのはせっかく全巻あるならば、一気に読みたいじゃないですか。
全巻一気に読むとなるとそれなりの時間が必要で、途中邪魔されないような状況で
しかも、出来れば、椅子の周りにはお菓子と飲み物があったほうが良いわけで。
そうなると、なかなか思い切る余裕がなかったわけです。

それが、突然ポッカリと時間が開いて余裕が生まれたのでトライしたわけです。

読んで思ったのは、さすが「マンガ大賞」受賞作
将棋漫画であり、青春漫画であり、家族の物語であり、成長譚であり、
とにかく物語が分厚い。

あらすじはWikipediaにあるように
>東京の下町に1人で暮らす17歳の少年・桐山零。彼は幼い頃に事故で家族を失い、心に深い傷を負ったまま、将棋のプロ棋士として孤独な生活を送っていた。そんな零の前に現れたあかり・ひなた・モモの3姉妹。彼女たちとの交流を深めていくうち、零は失っていたものを少しずつ取り戻していく…。

というような感じだけど、そんなあらすじではわからない物語が
登場人物それぞれにあって、しかも、それがすぐには説明されない。
1巻なんて、殆ど何もわからないと言っていい。
これ連載で読んでた人はよくついて行ったなあ、と思う。

登場人物が持つ背景がしっかりと考えられてあり、
その因果関係(将棋漫画なので対戦成績とか)と人間関係が練られているのに、
なかなか明らかにされず、登場人物が出会ったときにその場で表出される分しか描かれない。
そこで語られるセリフには、二人の関係が滲み出るものだが、それが説明ゼリフではないのだ。

たしかにマンガだから、過剰な登場人物はいるが、なぜ彼が過剰なのかについては、
少しづつしか明らかにならない。そこに生まれたエピソードと関係する要素だけなのだ
だから、5巻読んでもわからないことがたくさんあり
(例えば、二階堂がなぜ病気なのかとか、彼のうちはどれくらい金持ちなのかとか)
そのクエスチョンを抱えながら、登場人物の時間(物語)は進んでいく。

もちろん、将棋漫画としての迫力は盤面の出来(これは先崎さんが渾身)
対局のシーンの描き方で素晴らしいのだけど(特に名人戦)
青春漫画として、また現代の問題を織り込んだ学園漫画としても
随所にキラメキを見せている(そこはハチクロの作家だから間違いはないはず)。

ストーリーもいいし、セリフもいい。
コマ間の黒い帯の部分に書かれたモノローグがまたグッと来る。

将棋漫画といえば、二階堂登場シーンでパロってある
能條純一の「月下の棋士」が有名で、これは私も連載の頃に読んだ。
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最近だとテレビ化の際の仲里依紗のメイド姿しか記憶にない「ハチワンダイバー」

などがあるが、囲碁界を変えたと言われる「ヒカルの碁」に相当するものはない。

ひょっとすると「3月のライオン」はマンガを読んで将棋を目指す子供をつくるかもしれない。
そんな底知れないパワーを持ったマンガだと思う。

いずれにしろ、この膨大な背景を有する物語が完結することはないかもしれないが、
そこにいたるまで作者がネームを生む苦しみは尋常ではないだろう。
浦沢直樹によくあるように、作品が作者を超えてしまい、
結果完結しないという結末は出来れば避けて欲しいけど、
連載が不定期になるのは仕方が無いと思う。

この物語を紡ぐのは、非常に高度な詰将棋に似ている。
誰にでもできることではない。
羽海野チカさんの「なぜこの箱を開けたのか」という思いが
単行本のあとがきでは垣間見えるのだけど、できればあけきって欲しいものだ。


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個人的には、コマの隅で猫が発しているネームが好きです。
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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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