スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

芝居噺を芝居にする難しさ:【観劇】真景累ヶ淵

日曜日31日に、遊戯空間公演「真景累ヶ淵」を築地本願寺の横にある「ブディストホール」で見てきました。
R0010925.jpg


ブディストホールに行くのは20数年ぶり。
すっかり忘れていましたが、会場に入ると、その客席(164席)と決して広くない舞台に記憶が蘇りました。

そういえばきたことあるなあ、あんな芝居を見たなあという場所の記憶。

場所の記憶といえば、この芝居は茨城県羽生町の法蔵寺裏手あたり
鬼怒川の累ヶ淵という「場所」が出てくる。
その場所にまつわる「累ヶ淵伝説」の後日談として、
同じ羽生町の名主惣右衛門家の奇譚を「惣右衛門の死」と
「惣右衛門の妻の死に関わる息子たちの敵討ち」として全97章の話にまとめられたのが、
三遊亭円朝の名作怪談噺「真景累ヶ淵」なのだ。

いわば「場所の記憶」としての「累ヶ淵」なのですね。

青空文学図書カード
>真景累ヶ淵は圓朝21歳(1859(安政6)年)の作といわれる。当初の演題は「累ヶ淵後日(ごにち)の怪談」と題し、道具仕立ての大掛かりな噺であったらしい。
しかし、明治維新を経て、1872(明治5)年より素噺(すばなし)に転向した圓朝は、「文明開化に怪談は通用しない」という言を容れて、演題を「真景累ヶ淵」と改めた。「真景」すなわち「神経」、幽霊というものはこの世にあるかないか分からないけれども、あると思うのは「神経」の為せるわざである、というのである。これが新奇を求める人々に大いにうけたらしい。


ということで、この芝居は、芝居噺として作られた怪談噺のうち、
後年の落語も演じるようになった前半部分の話、
「惣右衛門の死」に関わる部分を芝居に仕立て直したもの。

その試みは、成功していたのかいないのか。
苦労したことは演出の端々からよくわかった。

役者の衣装がことごとく赤かったのは「血」をイメージさせたのだろうし、
役者が持つ小道具は「扇子」と「手ぬぐい」という落語へのオマージュ。
舞台装置も、半透明の衝立と二つの回り舞台をつかって場面転換をスピードアップさせ、
次々と登場人物を出しては殺し引っ込めるのに腐心していた。
この点は効果的で良かった。

そして賛否が分かれるところが、地の文を語る語り部を上手に座らせたこと。
そこは、全て芝居で分からせるべきではないか、という指摘もできよう。
さらに、語り部が章ごとに代わる演出で、観客の気持ちを切り替えていたけど、
語り部の巧拙がシーンの巧拙以上に、見る側の芝居への集中度合いを左右し、
集中しにくかった。
ただ、この地の部分で状況を説明したことで、長大な物語を少しは刈込たろう。

それにしても休憩を入れて3時間は長い。

元が芝居噺だけに、そのままでも十分演劇的であることは、
歌舞伎(「豊志賀の死」)や映画(「怪談」)になっていることからも証明済み。

その点では、この芝居は分が悪い。
芝居噺のようなこけ脅しというか、ケレン味はなく、
オーソドックスな演出だけに驚きとおぞましさに欠けた。
(もっと観客が叫ぶような脅かしがあっても良かったかも)
見側にとっては恐い話ではあったが、背筋がぞくっとするような感じにはならなかった。
それが残念。

是非原作を読んでみていただきたい。
青空文学での書き起こし 


それにしても、圓朝はすごい。

真景累ケ淵 (岩波文庫)真景累ケ淵 (岩波文庫)
三遊亭 円朝

岩波書店 2007-03-16
売り上げランキング : 162883

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


円生が通しでやってますね。

圓生百席(55)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~1「宗悦(そうえつ)殺し」~2「深見新五郎」圓生百席(55)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~1「宗悦(そうえつ)殺し」~2「深見新五郎」
三遊亭円生

ソニーレコード 1998-03-21
売り上げランキング : 147008

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



圓生百席(56)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~3「豊志賀の死」~4「お久殺し」圓生百席(56)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~3「豊志賀の死」~4「お久殺し」
三遊亭円生

ソニーレコード 1998-03-21
売り上げランキング : 146360

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


圓生百席(57)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~5「お累(おるい)の婚礼」~6「勘蔵の死」圓生百席(57)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~5「お累(おるい)の婚礼」~6「勘蔵の死」
三遊亭円生

ソニーレコード 1998-03-21
売り上げランキング : 134447

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


圓生百席(58)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~7「お累の自害」~8「聖天山」圓生百席(58)真景累ヶ淵(しんけいかさねがぶち)~7「お累の自害」~8「聖天山」
三遊亭円生

ソニーレコード 1998-03-21
売り上げランキング : 151109

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

amazon
楽天市場
Yahoo!
楽天
FACEBOOK
RSSフィード
add
プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

リンク
検索結果
カスタム検索
Twitter
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

カテゴリー
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。