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サイエンスコミュニケーターより理系編集者でしょう、やっぱり。

東京理科大学のマドンナプロジェクトのことを紹介しましたが、

理系女子は、もてます!

トラバした元ネタを書いたK_Tachibana さんが、ご紹介くださいました。
【閑話休題】「科学のマドンナ」の謂れは何?

ありがとうございます。それで、どうも
>東京理科大のマスコットに「坊ちゃん」が使われているから,それで「科学のマド
ンナ」と命名したのかも知れない.


ということらしいのですが、それにしても「マドンナ」は古い。
マドンナと聞いて、土井たか子を思い出す私も相当におっさんだけど、
坊ちゃんのマドンナって、夏目漱石ですから、と説明せずにはいられない。

高校生には、マドンナって、アメリカの歌手以外の答えを教えて欲しい。

で、このエントリの本題は、同じK_Tachibana さんのエントリ

【閑話休題】「サイエンスコミュニケーターで食っていけるのか」

にあるわけです。(相変わらず長い前振り)
K_Tachibana さんは、コメント欄で
>個人的には,サイエンスコミュニケーターは職業というよりも職能的なもののひとつだと思っています.
とおっしゃっています。
元エントリの sachiさんのエントリ
a 女性科学者のスペース2:サイエンス コミュニケーター
で、「サイエンスコミュニケーターって何?」という根本的な疑問
(この段階では無知から発している疑問なんだけど)を提示されたのに対して、
K_Tachibana さんが、まじめに反応したわけです。

コメントの中でsachiさんが、
>お教えいただいた現在の認識は、基本芸人と一緒だなぁと。

と書いていたのが、非常に印象的で、本質を突いているようにも思うわけです。
(注:この話しが最後に繋がります。長いけど。)

さらに、この件にトラバされていたpollyannaさんの
理系兼業主婦日記 :[サイエンスライティング]サイエンスコミュニケーションで食べていく?

で、サイエンスコミュニケーションで食べていけるのかという問いを発しながら、
>サイエンスコミュニケーション一本で食べていっている方と言えば、森山和道さん?
 竹内薫さん? でんじろうさん? そして内田麻理香さん? すぐ思いつくのはこのくらいかなあ。

と書いていらっしゃるわけですが、この人たちを、サイエンスコミュニケーションでくくるのは
どうなんだろうか、と私は思ってしまうんですね。
それは、たぶん、サイエンスコミュニケーションという言葉への解釈の問題です。
芸の種類が違うというか。

でも、それ以上に、以下のくだりに激しく同意ですね。

>理系であるくらいで、大学院出たくらいで、簡単にプロのライターになれるくらいだったら、誰も苦労はしないさ。

世の大多数の人たちにとってサイエンスは、音楽や、ウェブや、ゲームや、お笑いや、タレントや、政治や、アニメや、その他諸々のトピックのひとつにしかすぎない。

だから、たとえ題材がサイエンスであったとしても、というかだからこそ、読ませる「芸」が必要なんだとおもうのです。

「サイエンスコミュニケーションの仕事がしたい」

それではなぜ、マスコミの門をまず叩かないか。そこで勝負できないことがわかっているから? まさかそんなヘタレじゃないよね。

「組織の中で仕事をするのがいやなんだ」

それではなぜ、さっさと自分でコンテンツを生み出さないのか。人気エントリひとつ書けないのに、寝言は寝て言えと。


競争する場所と腕の問題を指摘されているわけです。そしてさらに、

>私が一番危惧する状況はこれ↓

Step 1. 使い勝手のいい労働力として、博士学生、ポスドクを量産

Step 2. でもアカデミアのポストは固定化したままで、ポスドクがあぶれる

Step 3. 行き場のなくなったポスドクを「処理」するために、サイエンスコミュニケーターという「職」をつくって誘導

Step 4. アカデミアで食べていく能力もなく、自力で職業的コミュニケーターとして食べていく能力もないポスドクが、天下り的にサイエンスコミュニケーターなる「職」につく

既得権益を守りたい人たちと、上から与えられ、保護されなければ、自分を食べさせていくことができない人たちとの馴れ合い。

こうなったら、アカデミアも終わりだなあ。


これも同意。この辺を受けて、K_Tachibana さんが、

【閑話休題】ポスドクの天下り先としての「職業的サイエンスコミュニケーター」!?

【閑話休題】「「サイエンス・コミュニケーター」として食っていくのは甘くないよ」(あるいは「キミは kasokenさんを目指せるか」)


とエントリを立てて、さらに詳しく迫っています。
また、kasokenさん事、内田麻理香さんが、名前を挙げられた人として

[サイエンスコミュニケーション]科学技術コミュニケーターで食べていく

というエントリを書いて、
> 危惧しているのは、大学でやっている「サイエンスコミュニケーション講座」とかその手ので「じゃ、私はこれを職業にできるのね♪」と勘違いしちゃう人が量産されるのではないか、ということ。作家養成講座出身で作家として食っていける人がどれだけいる? 毒にも薬にもならないような「座学」をぶっているくらいだったら、自己プロデュース能力*1、実際にコンテンツを生み出す実学の講座、営業能力も伝授していくべきではないでしょうか。

と指摘されている、これもまた激しく同意なのです。
サイエンスコミュニケーターというくくりではなく、
社会で実績をつくった上で大学に戻った内田さんが感じている苛立ちとか実感を感じます。

私が持っている違和感は、「サイエンス」だけが特別なように扱われている感じにあります。
サイエンスコミュニケーションとか、科学技術ジャーナリズムだけが、なぜ特別扱いだと思うのか。

それは、科学が、膨大な基礎知識の上に成り立っているため、
理解が難しいと思われるところにあるのでしょう。

でも、経済、特に、今の市場経済や資産運用に関わる話しや、
政治、環境問題(これは科学の領域になりがちですが)だって、
「基礎知識」なしに「理解」できますか?
法律の解釈とか、分かりますか?
裁判員制度で、急に裁判にかかわって、できると思います?
ところが、なんとなく、分かる気がするんですよ、この辺は。
もしくは、分からないというのが恥ずかしいと思える。

でも、科学は「分からない」と平気で言える。
分からないことを恥じるどころか、胸を張っている感じさえある。

だから、科学を分かるように伝える「専門家」が必要だという議論が出てくる。
議論している人たちが分からないものだから、「専門家」が必要なんです。

でも、昨日の「情熱大陸」に出ていた勝間和代さんが「お金の専門家」だと紹介されていましたが、
「科学の専門家」といえる人がどのくらいいるでしょうか?

「専門家」とは、それで食べられる人のことでしょう。
そういう市場のないところに、大学で養成したコミュニケーターが出てきて、
市場ができるんでしょうか?
さらに、大学で養成している程度で、専門家になれるんでしょうか?

サイエンスだけが特別なのではなく、あらゆる分野で「コミュニケーター」は必要です。
そして、その必要とされているレベルは、とても高い。

話術ならば、しゃべりの専門家と伍して行く必要性もあることは、
「爆笑問題のニッポンの教養」とか、「世界一受けたい授業」とか、例はありますよね。
(以前は、数学者の森毅先生とか、個性と話術のある方がいたと思うんですが)

文章であれば、文筆家と伍して行く必要がある。
茂木健一郎さんほどの文才は無くても、感動は与えて欲しい。

でも、ここで私が言いたいのは、サイエンスコミュニケーターに必要なのは、
実はトークのチカラや文才だけではなく、「編集力」だって事なんです。

個人の能力として優れていることはもちろん必要ですが、
それ以上に、社会に優れた人を押し出して行くには、
社会のニーズを分析したり、説明に必要な図版を考えたりする能力が必要です。

それを一人で全部やるには、科学は手が回らないほど広範囲です。

kasokenさんが指摘するとおり「甘くない」からこそ、
個人で戦うのではなく、チームで戦う。
ブレーンとかスタッフとかを持って、サイエンスを世に伝える「芸人」が欲しいと思います。

芸の中身と見せ方を考えるブレーンが、科学の世界に必要なんです。

それが、理系編集者の会につながるのですが、
長いなあ、話しが。

コメント一覧

■ ニーズ・・・ [編集・削除]

いろいろお教えいただきありがとうございます、sachiでございます☆
昨日と今日で結構勉強させていただきました♪♪

個人的に思いますのは、「科学社会→一般社会」のニーズよりも、「一般社会→科学社会」のニーズの方があるんじゃないかなぁと・・・
前者は、おそらく、マスコミで有名になる数名のプロのコミュニケーターでいいのかもしれませんが、後者の数は多ければ多いほどいい気がしてしまう一研究者です。

それには、若だんなのおっしゃるように、データ処理・解析能力が必要になっちゃうんですけれども
(;´▽`A``

2008.05.12 posted by sachi

■ コメントありがとうございます [編集・削除]

育児お疲れ様です。
一般社会のことを、科学社会の人が知るニーズですか? ニーズは無いんじゃないでしょうか。
シーズも、ウォンツもあるんですけどね。

2008.05.13 posted by 若だんな

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