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【観劇】私だけのクラーク・ゲーブル

日曜日の午後、小田急線が止まる中、下北沢に行って来ました。

劇小劇場でパニック・シアターの第22回公演
「私だけのクラーク・ゲーブル」をみるためです。

ここ数年欠かさず見ている中村まり子さん率いるパニック・シアターの公演です。

第19回公演:観劇「タンゴにのせて」
フリンジ公演:「サイレント・メモリー」見ました
第20回公演:クサイ話:ダ・ヴィンチは正しかった!
第21回公演:【観劇】パニックシアター「ハムレットの舞台裏」を見てきました

今回は、19回公演の「タンゴにのせて」と同じフランスの劇作家イザベル・ドウ・トレドの作品。

彼女の作品はいつも「家族」がテーマになっているのですが、
今回も夫婦、姉妹、母娘の確執や一筋縄でいかない愛憎が主役です。

主演は母親役の原知佐子さん演じるマルグリット。
クラーク・ゲーブルそっくりのハンサムだったことが自慢の夫をなくして10年。
今も、二人で暮らしたいなかやから離れず、夫の思い出と共に一人暮らしを続けています。

長女が中村まり子さん演じる独身やり手弁護士のマルティーヌ、
次女の平凡な主婦エリーズを南谷朝子さん(青年座)。
この三人に、青年時代のシスコ(夫)によく似た二枚目のフェリックス(文学座の大場泰正さん)が
絡んで、ひと騒動があります。

そして、シスコ役は山田雅彦さん(未来劇場)なのですが、見事にゲーブルっぽい二枚目でした。
フェリックス役の大場さんは、文学座でイヨネスコの「犀」を上演した時の主演で、
確かに古典的な二枚目だなと思った覚えがあり、今回も実にゲーブルの若い時っぽく二枚目でした。

こういう現代劇には不似合いな二枚目を探してくるのは大変だったと思いますよ。
ふたりとも、二枚目過ぎて現実離れしている感じがするくらいです。

まあ、そこがこの芝居の肝なので、キャスティングというのは重要です。

今回は、原さんが未亡人、中村まり子さんがキャリアウーマンで独身と、
実生活を反映した役柄だったわけですが、こういう時、役者さんはどういう気持なのでしょうね。
役作りがしやすいのか、まったく関係ないのか。
おふたりとも、関係ないわよ、とおっしゃいそうですが、
見ている側は、勝手なものでツイ台詞を重ねてしまいます。

エリーズ役の南谷さんは私は初めて拝見したのですが、実に安定したリアリティのある役でした。
さすが青年座という感じで、母親への憧れと、同じようにはなれないという挫折、
姉への尊敬と否定、自分が何者でもないという卑下、家庭人としての自尊、
いろんなものが混ざった「普通の人」を好演していました。

役者さんが普通の人をやると極端になりがちなのですが、抑えるでもなく誇張するでもない、
調度良い距離で役柄と向き合っている感じがしました。

トレドの台本はいつも、日常に潜むファンタジーを描いて、
決して幸せにはならない普通の人の運命を感じる瞬間を浮かび上がらせているのですが、
今回も、マルグリットは幸せでありそうで不幸で、
夫を愛していながら、裏切っていたことに傷ついているという巧妙な心理の襞を描いていました。
ストーリーを説明しても浮かんでこない、見事な台詞劇で、
3作目のこの作品が一番台詞が良かった気がします。
(かなり、翻訳によるところも多いとは思いますが)

客席は、原さん世代が多く、とても身につまされるか、他人事で気にしないかどっちかなのでしょう。
娘世代の私や妻は、それぞれ最近、自分の母親と話すことが多く
彼女たちが、けっして、ただ良妻であったり、賢母であったりしたわけではないことを
知ってしまっているので、作品の言葉が身に刺さることも多かったのでした。

こう言う芝居を育児に悩むお母さんにも見てもらえるといいかもしれませんね。
気にしすぎても仕方が無いということがわかると思います。

肉親でも、夫婦でも、姉妹でも、母娘でも、
決して相手の心のうちは、本当には分からないというのが主題の芝居だったからです。

そして、分からないことは不幸なのではなく、仕方が無いことなのです。
それに気がつくのは、誰かが無くなった時なのかもしれませんけどね。

実に大人向けの芝居でした。
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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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