牛丼を食べると思うこと

夕べ、松屋で250円の牛丼並を食べながら思ったのは、
吉野家の隆盛と凋落の原因についてだった。

松屋で牛丼を食べると、味噌汁が付いてくる。
これは、松屋の特徴であり、松屋のアイデンティティなのだね。
松屋のマークが大きい丸の中に小さい円が二つあるのは、丼と椀なのだそうで、
丼だけではなく、おわんが必ず付くことを意味している。

吉野家は、味噌汁は別購入。牛丼の肉質にこだわって値段を下げられないままであり、
牛鍋どんとかいう「牛丼ではないもの」を安く出して、
「安い牛丼を求める顧客」に対応したつもりらしい。

でも、それは、あくまで吉野家の牛丼ではないものでなければならない。
底に、吉野家のアイデンティティが「牛丼」にあることを見る思いがする。
あくまでも自分たちが納得する味の牛丼を提供することが一義的なコアで、
値段と味の異なる商品は、吉野家の牛丼ではありえないのだな。

でも吉野家ファンの牛丼好きという狂信的な存在はまだしも、
大衆化した牛丼を購入しようという一般消費者は、そんなことはどうでもよくて、
値段に見合う味がする牛丼ならばいいわけだ。

そこに、すき家の入り込む余地があった。

徹底した合理化で吉野家を凌駕した牛丼チェーンを作った社長は、
実は吉野家が倒産したときに牛丼を守ろうとした人だったらしい。
(日経ビジネスオンライン:全共闘、港湾労働、そして牛丼

吉野家は、牛丼にこだわってアメリカ牛が購入できなくなったときに牛丼を中止して、
その他のメニューでしのいだことで企業として強くなり、
牛丼の復活で業績も大幅にアップした。
それで、牛丼と自分たちの関係が正しいのだと思いこんだ。

でも、本当にそうだったのか?
すき家のあり方を通して、吉野家の問題点が見えてくる。
吉野家は、牛丼の値付けに自信を持ったがゆえに抜けられないジレンマを抱えた。
牛丼以外のメニューも出来ると自信を持ったがゆえに、牛丼でこけた。

牛丼の食べ方を顧客に強制する吉野家と、自由度を高めたすき家。
松屋は、牛丼だけではなく、丼とお椀を提示する食事を強化する。

三者三様で、これからどうなっていくのか、と思いながら牛丼を食べた。
でも、やっぱり牛丼の味としては吉野家が好きだなあ。
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Author:fujita244
新宿在住10年超。
特に東側に出没します。
副都心線で逆向き通勤中。
2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。
また、日常雑記は、
もうひとつのブログ
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