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事業仕分け人必読の書:【読んだ本】科学技術は日本を救うのか

ディスカヴァーサイエンスの創刊三冊のうちの001。
つまり、このシリーズの根幹となるともいえるのが、この本。

科学技術は日本を救うのか科学技術は日本を救うのか

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2010-04-15
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昨日紹介した内田麻理香さんの「科学との正しい付き合い方」が002だったので、
紹介順が前後したのはお詫びするとして、実は、この本から読むよりも、
内田さんのを読んで、この本を読んだ方が理解しやすいと言うこともある。

それは、科学という「ものの考え方」をまず理解していただいて、
科学者が何を目指しているのかと言う思考方法に慣れてから、
この本を読むと、より明確に科学技術が日本を救うという思いが理解されやすいと考えるから。

著者は、科学技術振興機構の理事長にして、超伝導技術の研究者。
本書は、その科学者であり科学政策の実行の場のトップが、
科学技術による社会改革の提案をする本だ。

今若い人たちだけではなく、社会全体に「科学が社会を悪くした」という感じが漂っている。
それは、環境問題の原因が科学技術だという認識から始まっているのだろうけど、
特に日本の若者にその認識が顕著であり、それにショックを受けたのがこの著者なのだ。

目次を見ていただけると大体の内容がわかる。
どこにも目次が見あたらないので手打ち。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
プロローグ 夢をなくした子どもたち
第1章 世界トップクラスを走る日本の科学技術
  1 世界は研究開発メガ競争時代に入った
    「科学技術基本法」が制定された意味
    欧米に差をつけられた公的研究開発費
    熾烈な「研究開発メガ競争時代」
  2 成果を挙げ始めた日本の大学
    公費の平等な配布から競争的な研究資金への移行
    基礎科学研究予算は、「科研費」と「戦略創造」の二段ロケット方式
    日本は基礎科学で世界のトップに躍り出た
    研究への支援が実を結んでいる
    課題解決型研究と好奇心に導かれる研究
    日米大学の予算を比較すると
    地域の大学が生き残るために
    産学連携に本気になった日本の大学

第2章 日本経済長期停滞の真相を探る
  1 成長が止まった日本経済
    日本では20年間も技術革新がうまく回っていない
    飽和してしまったGDP
  2 日本が不景気になった本当の原因
    実は貿易黒字が問題を生んでいる
    日本企業が「世界を買い始めている」
    日本国内に取り残される国民と日本経済
    日本でなぜ貿易黒字が20年以上も続くのか?
    海外に出ていってしまう特許
    中国は日本の重要な貿易相手国となってきた
    東アジアの国々に拡大した、日本を中心とする国際分業体制
    私たちの預貯金も不景気の原因だった
    国民の貯蓄が財政赤字に姿を変えた
    財政赤字よりも「後世に何を残すか?」が重要
    日本の不景気の構造

第3章 「第4の価値」が若者に夢を与える
  1 景気回復に必要とされるのは「新しい価値」
    娯楽に使うお金は十分にあるのに……
    日本は「出稼ぎ父さんの居つかない、淋しい家庭」
    第4次産業を創出しよう
    政府のリーダーシップで「第4の価値」を追求する
    第4の価値の追求、アメリカの場合
    税金より個人寄付が効率的な場合がある
    NPOは経済に十二分に寄与できる
    21世紀の日本経済復活のシナリオ
  2 低炭素社会への投資が日本の未来を救う
    「低炭素社会実現」の意味するところ
    自然エネルギーが鍵となる
    技術に勝った日本が、なぜ、普及に立ち遅れたのか?
    太陽光発電のコストを々考えるか
    低炭素社会実現へ向けて、科学技術はどんな役割を果たすか
  3 日本の若い世代に期待する
    日本の若者たちの環境マインド
    若者たちの科学技術に対する信頼を取り戻す
    日本に第4の価値を実現する素地はある
 
第4章 科学技術による「地球防衛隊」構想
  1 若者の科学への芽を育てる
    子どもたちへの提案
    日本科学未来館--毛利衛館長の夢
    「地球防衛隊」の構想
  2 超伝導で地球を防衛する
    自然エネルギーの地球電力ネットワークをつくる
    日本がリードする超伝導研究
    実用の域に達した高温超伝導素材
    超伝導リニアモーターカーが走る仕組み
    飛行機に代わる高速省エネ型交通ネットワークとして
    地球電力ネットワークを可能にする超伝導の電力ケーブル
    高圧線と鉄塔を世界から無くす
    超伝導による送電で国際貢献
    地球の磁場がなくなる?

あとがき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この本の内容は、主に筆者が数々の講演で話してきたことをまとめたもの。
とくに、ディスカヴァーサイエンスシリーズ創刊記念シンポジウムでの講演内容を
ベースにまとめられている。

関連エントリ:科学技術館でD21の講演会を聞いてきた
>とくに科学者らしい、数字を元にした科学予算の分析、科学教育の分析などが
説得力と客観性を持って、現状の問題を明らかにしていた。

そして希望の部分には、自らの研究テーマである「超伝導」による社会変革をあげている。


本書も、この科学者らしい数字を元にした分析、特に経済状況の分析が圧巻だ。
経済評論家の漠然とした日本沈滞説など聞く気になれないほど、
その筆致は鋭く、目から鱗が落ちる話が多い。
講演の時には雑駁だった話がまとめられており、そこを再読するだけでも十分に価値がある。
さらに、そこに北澤さんなりのシナリオを描いている。

シナリオ実現の方策が北澤さんの専門である超伝導がらみばかりだというのを、
揶揄することもできようが、実際に、彼が超伝導にかけた思いを考えれば、
それはためにする批判というものだろう。
実際に、これから超伝導が切り開く地平は広いのだし。

科学技術がなぜ必要なのか。
科学技術で何が出来るのか。
なぜ一番でなくてはいけないのか。

こうした「事業仕分け人」の問いに、この本は十分に答えてくれる。
いままさに独立行政法人である科学技術振興機構が仕分けに合っている時に、
そのトップが表した、この本は、彼ら仕分け人が「科学技術と国家費用」
の関係を理解するのに必読だと言えるだろう。

最後に申し上げると、タイトルが「科学技術は日本を救うのか」となっているのが不満だ。

なぜ、「救う」と言い切ってくれなかったのか。
それは北澤さんが自分の立場を考えて深謀遠慮の末なのだろうけど、
その譲歩が、結局、仕訳人に付けこまれることになるのではないか?
付け込まれるという言い方は語弊があるが、
科学者はどうしても絶対とか完全ではないと、言い切らないと言う癖がある。
その態度が、丸かバツか、YESかNOかという事業仕分けの状況で、
ハッキリとした主張が仕切れなかった弱みになった。

あとからごちゃごちゃ言っても仕方がない。
いま、科学技術が必要であることをハッキリと主張することが科学者の使命だろう。
そして、この本は、その使命に業界トップが答えたものなのだ。

その気概を感じて読んでいただきたいと、科学応援団の一人として思う。
科学技術は日本を救うのか科学技術は日本を救うのか

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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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