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金から自由になる方法:貧乏入門

読めば読むほど味わいがあり、思うところが広がり、なかなか手放せない本。

こういう本は、感想が書きにくい。もしくは書きすぎる。
なので、なかなかご紹介できなかったということにしてください。

貧乏入門貧乏入門

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昔、「清貧の思想」という本が流行ったことがある。
清貧の思想 (文春文庫)清貧の思想 (文春文庫)

文藝春秋 1996-11
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バブル末期に、消費にばかり血道をあげるのではなく「清貧」に生きよというやつだった。
ブームに成ったが、最後は作家の暮らし方への個人攻撃になったりしていた。

この本は、別に「貧乏」を礼賛した本でも、貧乏暮らしの秘訣が書いてあるわけでもない。
仏道の道を歩む現役僧侶が説く、現代人への説法である。

>欲望による消費をやめ、必要に応じて良質のものを買い、その産業に投資するようなスタンスへ移行して行くこと、そのことを通じて、欲望から自由になること

を説いている。
僧侶と言っても派手な生活をしている人もいるから坊主が皆「貧乏」なわけではないが、
筆者はまさに「清貧」と読んでいいような暮らしをしているらしい。
ワタシが、煩悩にまみれたツイッターの説明をさせていただいた時も、
法衣で下駄で歩いてきたとおっしゃっていた。

そんな小池住職にも、煩悩に満ちた若い日があって(と言ってもまだ30代なかばだけど)
その反省と分析を交えて、若者の「苦悩」がなぜ起きて、どこに由来するかを解いていくあたりは、
心理カウンセラーも顔負けの的確な分析が続くのです。
しかも、脳科学の成果にも目を配った仏道の説き方に目からウロコです。

曰く
>「苦」が減っている状態を「快」と情報処理しているだけのこと

人間のすべての感覚は「苦」でしか無いと指摘し、

>「苦」の変動を心がデータ処理して、「快楽である」と変換してしまう

それこそが現代的な「一切皆苦」という仏道の根本原理なのだと説くのです。

そしてこの「誤解」が、新たな苦を求めさせ、自分から進んで苦しむ癖をつけるのだと。
そして欲望の3Dというメカニズムはエスカレートするのだそうです。

3Dとはdemand→desire→driveと発展する欲望のメカニズム。
必要だから欲しかったものが、欲望のとりことなり、コントロール不能の状態にまで至る道。
麻薬や覚醒剤がまさに、こういう状態を生むでしょうし、困難な恋愛を求めたり、
難しい志望校を追求してしまったり、「もっと、もっと」と加速する現代の刺激中毒・欲望中毒。

こうした地獄の道、苦しみを求める道から逃れるために「捨てよ」と説くのです。

節約ブームにも筆者は疑念を持ちます。
節約もまたお金に支配されたゲームに過ぎないからです。
「より安い」という価値で物を買うのではなく、
「必要なもの以外買わない」という「充実した貧乏」を説いています。

また「草食系」についても疑念を呈します。
欲望を持っていないのではなく、持っても実現出来そうにも無いので、
挫折するくらいならば最初から持っていなかったことにしようとしているのではないかと。

こうした欲望をねじ曲げて格好を付けていることを「慢の煩悩」というそうです。

>自慢の慢、慢心の慢。慢の煩悩が、欲望の煩悩を抑圧しているのです。

しかし、彼らに厳しいのは、自分自身が最近まで同じような気持ちを持っていたこと、
それにより当時の彼女を追い詰めてしまったことなどを筆者は告白するのです。

この筆者の告白が、この本の説法をより身近にし,説得力を与えています。

さらにいろいろと続きますが、全部書いてしまいそうになるので、この辺でやめて
幸福は「ふつうのものにしっかりと集中すること」から生まれる、ということだけ記しましょう。

その意味では、カツマーに疲れて、カヤマ-に行ったけど、
なんだかしっくりしない人に読んでいただきたい本。

関連エントリ:カツマーとカヤマーは平行線ならぬ「ねじれの位置

また仏教ではなく、仏道というところも小池龍之介さんの特徴で、

>仏道は宗教ではなく、宗教も含めて世俗を超越するもの

であるのは、ブッダがキリストやマホメッドなどと違い、もともと王家の出身で
「欲しいものすべてを手にした者が知る不幸」から出発していることにあり、
現世利益が得られなければ来世での救い・幸福を得たいという欲に支えられた宗教に比べて、
煩悩を滅したところにある心の平安を求め、欲を超えるところにあるのではないか、
と指摘します。

貧しさを不幸の原因とする人々にとっては、宗教が「救い」となるかもしれませんが、
貧しさを克服した先にバブルがあり、その崩壊も含めて経験した日本人は、
貧しさも豊かさもけして「幸福」と関係なかったことを知ってしまいました。
幸福をもたらすのは「心の持ちよう」であり「欲望のからくり」を超えることなのだと、
小池龍之介さんは説き、だからこそ、日本人は今チャンスなのだと言います。

お金についての革命が「貧乏」なのだとすれば、これは「清貧」を超える生き方だと思います。

となると、この本と読み比べるというのも言いかも(同じ会社の本だし)
幸福の方程式 (ディスカヴァー携書) (ディスカヴァー携書 44)幸福の方程式 (ディスカヴァー携書) (ディスカヴァー携書 44)

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対照的な話の中に、真実は見えてくるものかもしれませんからね。

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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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