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科学哲学のすすめ、理性の限界

科学哲学のことを調べていたらば、入門編として歴史的な流れがわかる本に出会った。

科学哲学のすすめ科学哲学のすすめ

丸善 2002-01
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丸善が発行している物理科学雑誌『パリティ』に連載していた
「科学哲学のすすめ」をまとめたものだそうである。

編集長の大槻義彦教授(早稲田大学、火の玉の研究で有名だけどテレビ的には別キャラ)に
「とにかくわかりやすく、高校生にも理解できるように、科学哲学とは何かを解説して欲しい」
と要請されて書いたとのことで、確かにわかりやすい。
それだけではなく、概念がきちんと説明され、それが歴史的な文脈の中におかれている。

アリストテレスから、ポパー、ファイヤアーベントまでの理論や哲学を示し、
科学を取り巻く社会的問題として「プロジェクト・アルファ」(初めて知ったけど面白い事件)
やソーカルの「知の欺瞞」までを取り上げて、解説している。
「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用「知」の欺瞞―ポストモダン思想における科学の濫用
田崎 晴明

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発行時期から、20世紀が終わるくらいまでの話なので、
そのあとのことを取り上げているものはないかと探したが、
本書のあとがきにもあるように科学哲学の分野では、
「科学社会学」や、科学者を対象にした文化人類学が主流になってしまい、
科学哲学について、新たな論考がすすめられているようには思えない。

だからこそ、あとがきの最後で著者が書いている

「現代社会においては、「科学」こそがもっとも刺激的な話題なのである。その意味を問うためにも、あらゆる局面で「科学哲学」が論じられるべきであろう」

という著者の問いかけに全面的に賛成するのだ。
なので、著者の新作も買ってみた。

著者(高橋昌一郎)は元々ゲーデルという哲学者・論理学者の研究が専門である。
そこで、ゲーデルの不完全性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、
アロウの不可能性定理の3つを1冊に盛り込むというチャレンジに出たのが本書である。
理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

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こんな話題をストレートに書いても、誰も読み切れないだろうから、
著者が仕掛けたのは、「対話編」にしたことだ。

プラトン対話篇 ラケス―勇気について (講談社学術文庫)プラトン対話篇 ラケス―勇気について (講談社学術文庫)
三嶋 輝夫

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難しい哲学の話を一般人にわかるようにするために、
プラトンが生み出した技法といってもいいだろう(プラトンの意図は違うけど)

司会者が会社員にもわかるようにと、様々な専門家たちのディベートを仕切っていく。
という形態で進んでいく。

目次(講談社 現代新書のページから)
序章  理性の限界とは何か
第1章 選択の限界
     投票のパラドックス/アロウの不可能性定理
     囚人のジレンマ/合理的選択の限界と可能性
第2章 科学の限界
     科学とは何か/ハイゼンベルクの不確定性原理
     EPRパラドックス/科学的認識の限界と可能性
第3章 知識の限界
     ぬきうちテストのパラドックス/ゲーテルの不完全性定理
     認知論理システム/論理的思考の限界と可能性


随分簡単な目次ですが、大きく3つに分かれていて、科学はその2番目。

内容としては、「科学哲学のすすめ」で書いていたことが手法を変えて書かれているという印象。
まあ、そおりゃそうですけどね。

この本の良いところは、内容もさることながら、
やはり参考文献が実に細かく挙げられているところだろう。
こうした新書を入り口に、さらに専門的な本が読みたいと思う人にとって、
こうした参考文献、できれば注記の充実がありがたいのだから。

本の効用は、こうした「まとめ」によって、先達の苦労の成果を一気に手に入れられるところにもある。
だから、本は読まないと損なのだ。
自分でググっていては一生たどりつけないことを教えてくれる。

そう言う意味でも、この3つの原理をこうして解説してくれる本は人生にとって重要だと思う。
科学者も、哲学者も、その予備軍も、一通り目を通してはどうだろうか。
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fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

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