fc2ブログ

【予想】NTTドコモはテレビ局に未来を見ているのではないか:2012年11月28日




NTTドコモの買収戦略が目立つ。
野菜だとかタワレコだとか。
これって、「通信業の本筋ではないよね?」という声がする。
何を考えているのだろうか、という記事が出た。

NTTドコモ新社長はアマゾン、楽天を追いかける【1】@プレジデント

 NTTドコモが、提携効果があるとは思えない会社の買収を続ける。野菜通販「らでぃっしゅぼーや」、大手CD販売「タワーレコード」……。この買収は本当に「迷走」ではないのか。徹底取材で真相を究明する。



iPhoneを売らない理由(国内企業の保護という目線)とか、
KDDIは固定回線とのセット割引で好調なのにドコモはできない(禁止されている)とか、
旧電電公社であった負の遺産がNTTドコモを縛っているといえる。

携帯電話キャリアの競争軸として、料金、端末ラインアップ、ネットワーク、サービスという4つがあげられる。ネットワークというドコモが得意としていた部分が、スマートフォン全盛になって、色あせてきたのは事実のようだ。これまで「つながりにくい」とされていたソフトバンクモバイルも「プラチナバンド」というNTTドコモやKDDIがメーンに使用している周波数帯でのサービスを開始した。2社のエリア品質に追いつくのには数年かかると見られているが、着実にNTTドコモの背後に近づきつつあるのは間違いない。



じゃ、サービスとしてどこに行くのか。

野菜やCDはあくまでごく一部であり、これから衣料品や生活雑貨などを通信販売できるように、整備を進めていく。それらのショップを集めることで、総合通販サービスとして、ドコモユーザーに使ってもらうというわけだ。ドコモでは新規事業分野で1兆円の売り上げ目標を掲げるが、「1ユーザーが月に2000円分買ってくれれば、4000万ユーザーで800億円。これで年間9600億円になる」(阿佐美氏)という。あくまで目安でしかないが、1兆円も決して不可能ではない数字にも見える。



というわけで、モダシンさんが指摘するように楽天やアマゾンを目指すのか?

NTTドコモ新社長はアマゾン、楽天を追いかける@モダンシンタックス

いやいやいやいや、充分不可能な数字だって。ユーザ全員が買うわけないじゃんw しかも母数はどんどん減っているし。野菜や服買うためにドコモと契約する?ないよね。

ちなみに私はドコモのユーザということでこの4000万人の一人でありますが、ドコモで物を買って1円も使ったことありませんよ。



でも、これを、電波を使って自分たちの商品を売る番組を強制的に流す企業、という形で見るとすでに前例があって、しかも好調らしいです。

絶好調TV局副業 フジは結婚事業、TBSは高級マンション販売@マイナビニュース

結局のところ、これだけの利益があげられるのは、公共の電波を自社のサイドビジネスの宣伝・集客に流用する“タダ乗り”商法で、電波利権をフル活用して儲けているからに他ならない。



同じような手法で携帯専門TVを作ったり、コンテンツに力を置くNTTドコモの姿勢を重ね合わせると、そうした番組を通じてコンテンツとともに商品を売るというのは、奇異には見えなくなってきます。

テレビ局の「電波使用料」は売上高のわずか0.14%しかない@ニュースポスタセブン

テレビ局は国(総務省)から電波の割り当て(放送免許)を受け、毎年、電波利用料を支払っている。下表はNHKや民放各社が国に支払っている「電波利用料」と売り上げを比較したものだ。
例えば、日本テレビが支払う電波利用料は年間わずか3億7600万円なのに対して、売上高はその738倍の2777億円。TBS、テレビ朝日、フジテレビなど他のキー局も電波を格安で仕入れ、その数百倍の収益をあげている。まさに「濡れ手で粟」の商売である。



確かに、いまは携帯電話のキャリアは回線使用料で設けているかもしれないが、いずれ、この回線使用料をただにして、コンテンツや物販やCM料金やら何やらなどで食えるようになって行くことがないとはいえない。

そうなれば、回線利用料は限りなくただに近づくかもしれない。

それがいいかどうかは別として、キャリアからの販売押し込みがなくなったせいなのか端末の高額さが目立つ昨今、キャリアの副収入のあり方は注目されていい問題かもしれない。

スポンサーサイト



【iPhone】開封の儀がない理由:2012年11月28日




iPhone5を買ったのですが、いつもならば、誰も見たくない「開封の儀」をやるのに、今回はなかったなと思いませんでしたか?

思いませんか、そうですか。

でも、やらなかったのは理由がありまして、家で箱を開けたからじゃないからなのです。

ケータイ電話は、いままでもその場でセッティングがあるので、箱を開けて中を確かめて、となるため、家で箱を開けたわけじゃないじゃないか、と思うかもしれませんが。今回はそれ以外の理由がありました。

一つは、チェンジしたんです。

箱を開けて中身を確認するときに、外周部の傷が気になって変えてもらいました。
話を聞くと、iPhone5は、このアルミ部分の傷があるものが多くて、100個に1個以上返品しているそうです。

1万個仕入れたんですが、100個以上返品してますねえ、とビックロのお兄ちゃんが言ってました。

この件はツイッターでも呟いておきましたが、日本人ってうるさいよね、という感じですね。




まあ、自分もチェンジしていたりしますけど。

もうひとつは、手続きを待っている間に画面防御シールを買ったんですが、それをその場で店員さんに貼ってもらったんです。
自分で貼ろうとしたんですが、こういうのが苦手なので、もたもたしていたら「貼りましょうか??」と爽やかに申し出てくれたので、お願いしました。

でも、よくよくカウンターの後ろの壁を見ると、最近有料サービスとして貼っているらしい。
手先が不器用なお陰で、ただで貼ってもらっちゃいました。

ついてる!

というわけで、その場でケースに入れて、シールを張ったやつを持ち帰りしたので、開封の儀はなかったのでした。

私が買ったケースはこれです。


この値段にしてはクオリティ高いです。
カードも入るので、おススメです。

【iPhone】今度はiPhone5を買いました:2012年11月28日



iPadミニに続いてiPhone5を買いました。

実は、アンドロイド機の不調がつづき、さらに家のWi-FiにしているWiMAX機の調子が悪く、家でネットが繋がらなかったりしていたのです。

iPadミニとiPhone5をテザリングすれば、家でネットいらずになれますし、ガラケーとスマホの二台持ちも解消したい。

iPhone5にすることは懸案だったのですが、いくつか問題がありました。

1.アンドロイド機がまだ2年経ってないので、分割の残債があるけど、これは一括払いなの?
2.アンドロイド機がまだ2年経ってないので、いまだと解約金9,950円が発生する
3.ガラケーの膨大な電話番号をどう移すか
4.アイフォーンにすると電話番号は大丈夫だけど、メアドは変わっちゃうんじゃないの?

それで、まずは相談に行こうと、昨日、思ったより早く仕事が終わったので、ビックロに寄ってみたわけです。

上記のようなことを話すと、担当のお兄ちゃんいわく
1は、分割の残債は払い終えないといけないが、ここで解約しても毎月払うだけで、一括で払わなくても良い。(選択できる)
2は、解約せずに一番安い契約に変えて、機械を止めておいて、解除できる7月にやめれば良い。電話もかけず、ネットもしないならば基本料金780円×残り期間(7ヶ月)=5460円となり、支払合計が解約金より安く済む。

という提案を受け、心が揺れました。
しかも、契約変更は翌月からなので、今月中に手続きしないと1ヶ月今の契約料金(ISフラット)になるので、止めるならば今のほうが良いのです。

3は、ガラケーの電話帳をauIDの電話帳バックアップに保存してあるので、そこから引き出せばiPhoneにも移せるそうで、この手続は済んでいます。

4は、今はメアドも変わらない(というかiPhoneでメアド設定するときに選べる)

となると、いま変えない手はないわけです。

ということで、機種変更でガラケーの電話番号でiPhone5にして、スマホは契約内容を変更して、その場で停止。

auポイントが13,000ポイント有ったので、これをiPhone5の代金に当てて、残りをビックーSUICAカードで支払いました。ポイントは一括で聞き購入するのしか使えないし(電池買ったりしないし)、ビックロで買うならばカードでポイントつけた方がいい。

ついたポイント(iPhone5は3%しかつかないけど)で、ケースと画面保護シールを買いました。


ケースは白い皮で、背面にカードが入るやつです。
1-2012-11-27 21.55.07

開けるとこんな感じ。
1-2012-11-27 21.55.17

カードは定期を入れて、便利な感じになりました。

ところが、問題があって、auIDのパスワードがわからなくなってしまったのです。
これは、お客様サポートにでも電話しなくちゃいけない。

とりあえず、電話番号とメアドは同じなので、連絡は取れます。
ただ、こちらから掛けるのは、電話番号を止めたガラケーで調べてからになるので、ちょっと遅れるかもしれません。

【メモ】なるほどデジタルって不便なんだね:2012年11月26日




続けて、こんなブログ記事を読むとタイトルのような気分になるという話。

誰でも簡単にできるってことは。。@きっと一生わからない

誰でも簡単にできるようになって、誰でも簡単にできる 程度の仕事が蔓延り、プロの仕事が駆逐されてしまいました。。。の一例。
 
デザインも、写真も、映像も、同じような傾向があるよね。
 
果たして、これは進歩なんだろうかね。
 
ITは進化したのかもしれないが、社会の知力は、ひどく衰えているんじゃないのかな。



ボクがデジタルの時間管理をやめてアナログ手帳に戻す理由@さとなお

やっぱ、デジタルだと書き直すのも簡単つうのが大きいかもしれないな。
ペンだと、予定を変更するとその部分が汚くなる。それをイヤがる気持ちが意外と大切。だって、「予定を直す」ってことは「他人からのオファーで予定を変える」ということだ。他人の都合なのだ。

つまり「自分の意志で決めた予定だから動かさないのだ!」という強い思いがデジタルだと薄れるということ。




この2つの話が、グーグルリーダーに並んでいるという幸運なのか、偶然なのか、必然なのか。
それを続けて読むと、やっぱりデジタルが進むだけじゃなくて、人間の意志が重要で、そこの部分が軽んじられているんじゃないかなと思ってします。

仕事というのは誰にでもできるようでいて、属人性が高い。
簡単に見える仕事、デジタル機器の普及で誰にでもでき料に見えることが、意外に演る人によって、完成までの時間も、出来上がりのクオリティも大きく異る。

それは、はじめにアナログで完成度をイメージできるかどうかにかかっているのだけど、このアナログの時間を持てるかどうか、そこに金と時間をかけられるかどうかで、今や仕事の出来が大きく変わってしまうのではないだろうか?

デジタルが進展し普及したからこそ、ついてしまった差というのがあるように思う。

そこを心配する企業はじつは少ない。

バリバリのデジタル人間が経営しているUEIの社長が、映画監督と哲学者を会社経営のために参画させるのは、そんなことなのではないだろうかとも思ったりして。

こういう飛躍ができるから、いろんなブログを読んでしまうんだよねえ。

【観劇】100年たっても変わらないものがあった:救世軍バーバラ少佐:2012年11月26日


珍しく同じ芝居を二回見ました。
マイミクさんが出ているので、松陰神社前スタジオARまで行って来ました。

アリストパネスカンパニー「救世軍バーバラ少佐」のチラシ
barbara.jpg

こちらの劇団の芝居は1年ぶり。

関連エントリ:時代が変わっても「影」は影:【観劇】アリストパネスカンパニー「大逆の影」

時代を捉えた形で旧作を持ってくるという感じがあります。

今回は、バーナード・ショー作で1905年の作品。

英語ですが、詳しくは以下を見てください。

Major Barbara@wikipedia

全く知らなかった作品だったので色々調べたらば、本邦初演らしい。

11月16日から25日と小劇場にしては長めの公演期間で、上演時間も長めの3時間。
私は、縁あって、17日と23日の二回見に行きました。

公演も終わったのでネタバレで書きます。

上演時間がこれだけ長いとセリフも膨大で、しかも金言至言が多いことで知られるバーナード・ショーだから諧謔的なセリフの応酬。
役者さんは大変だったろうと思います。なので、2回見ても新鮮なシーンがあったりして(笑)。

さて内容はタイトルにある通り、20世紀初頭のイギリスで救世軍に身を投じていたバーバラと、その家族の物語。

母親ブリトマート夫人は、没落貴族の娘で旧弊的なモラルの塊。子どもたちを自分の枠の中でしか行動させたがらないくせに、「自由にしている」とのたまうイギリス上流社会の権化。

長男スティーブンはケンブリッジ大学を出たのに文学も法律も修めておらず「善悪がわかる」とのたまうだけの役に立たないインテリぼっちゃん。

長女バーバラは、救世軍活動に没頭する世間知らずのお嬢様な自分に気が付かない主役。少佐というのは救世軍内の身分なので、まあ出世している方ということなのだろう。

次女セアラーは、意外にしたたかな箱入り娘。没落貴族の末裔で、まだ財産分与もなされていない世間知らずのチャールズ・ロウマックスと婚約中。

父親アンドリューは、子どもたちが小さい時にブリトマート夫人と離婚しており、生活費を送り続けている。彼の仕事は武器製造会社の経営者で、イギリス経済界だけではなく政界も牛耳るアンダーシャフト家の当代。だが元々はウエストエンドの孤児出身であり、アンダーシャフト家が代々、孤児を養子に迎える風習から跡継ぎとなった。

父親の世界観(貧困を救うのは金と仕事)とバーバラの世界観(貧困には神の救済)、そして母親の世界観(世間体と階級主義)が対立し、入り乱れ、そこにアンダーシャフト家の跡継ぎ問題が関わってくるという話。

バーナード・ショーの作品な上に、救世軍が出てくるというだけでかなり敷居が高い感じ。

救世軍といえば、年末の社会鍋なのだけど。実態はよく知らない。

救世軍@wikipedia

救世軍(きゅうせいぐん、英:The Salvation Army・略称S.A.)は、世界124の国と地域で伝道事業(=宗教活動)、社会福祉事業、教育事業、医療事業を推進するキリスト教(プロテスタント)の教派団体。日本では日本福音同盟に加盟している。
軍隊を模した組織をとって活動を行うことが最大の特徴である。
なお、英語の「The Salvation Army」を「救世軍」と日本語に翻訳したのは尾崎行雄である



神の軍隊である「救世軍」と、本物の軍隊に武器を提供するアンダーシャフト家である父。
この対立が何を争うものかというのが主題で、結論はバーナード・ショーらしく皮肉が効いている。

つまり、救世軍にとってはあまりよろしくない結論なのだけど、この公演では救世軍の協力を得ていて、衣装などを日本救世軍から借りた上、役者は救世軍本部に見学などにも行ったらしい。

なぜバーナード・ショーが救世軍をターゲットにしたかを考えるには、彼の考え方とともにイギリスにおける救世軍の意味を考えなければならない。ショーは、

進取の精神で知られ、新しく世の中に出てくる考え方に対して、ほぼ生涯を通じて賛成している。反面、次々と新しい思想に飛びつき、思想信条に一貫性がないとの誹りもしばしば受けていた。



それだけに、資本主義の象徴として武器製造会社を、旧来的なものの象徴として、貴族と救世軍に目をつけたのだろう。
イギリスにおける救世軍というのは、ひとつのキリスト教の組織という以上の意味があるらしい。

現在、救世軍はイギリスでは政府に次ぐ規模の社会福祉団体であり、全世界で1万2千ヵ所近くの社会福祉施設、教育機関、医療施設を運営しており、国際連合経済社会理事会(ECOSOC)において1947年以降、特別協議資格を持つ国連NGOである。



元々イギリスで19世紀末に始まった救世軍は、爆発的にその勢力を拡大し、この台本が書かれた1905年には一大勢力だった。
そして、その中心的な活動は、ホームレスへの給食施設とアルコール依存者の更生施設なのです。
なので、劇中に出てくる、醸造会社で億万長者になった男爵からの寄付というのが、非常に大きく揶揄するものになるわけで、金持ちからの寄付で救世軍が活動するにしても、最も忌み嫌うアルコールが元になった寄付を受け取るべインズ長官の態度が、バーバラの心を動揺させることになり、追い打ちをかけるように父に追加の寄付をねだるベインズ長官を見て、彼女はその場で救世軍を抜ける気持ちになるわけです。

まあ、救世軍と言うよりも、バーバラの純粋さ自体が父の金に支えられた危ういものであることを示すシーンとも言えます。

日本でも救世軍は1895年と早くに入って来まして、当初から娼妓開放に熱心でした。
そういえば、映画「吉原炎上」で根津甚八が演じていた救世軍軍人も、お坊ちゃんの遊びのように表現されてましたね。五社英雄監督はバーバラ少佐を知っていたのだろうか?

こういう事前知識を持ってみると、セリフの意味が少しは見えてくる。
でも、芝居だから、こんな事前知識なしでも面白くなければいけないとは思いますけどね。

その点では、十分に面白い芝居でした。
やはりセリフの一つ一つが素晴らしく、感心してしまいます。
役者さんの演技に目を奪われると言うよりは、膨大セリフから世界観を感じる芝居。
でも、その世界観に浸らせてくれたのは、役者さんたちのおかげなわけで、素晴らしい演技だったのではないでしょうか。
台本を頂いたので読んでみましたが、わかりやすくなるように構成に手を入れた演出があり、セリフの翻訳も工夫されています。

なぜ、今バーナード・ショーなのかを考えてしまいましたが、このセリフの力と状況設定、登場人物の滑稽さは、十分現代の日本の状況をも捕まえているものだったし、揶揄するものであり、痛切に指していました。
この芝居をやりたかった理由もなんとなく見えました。

誰が、今のこの閉塞した状況を打破してくれるのか。
とくに震災で仮設住宅に住む人達には、保護だけではなく、
やはり仕事と金を復興に回さなければ、解決しない問題はたくさんあるということを考えさせられました。

そういう意図だったかどうかはわかりませんが、そう読めてしまったのです。

最期に、調べていて知ったことを書いておくと、日本バーナード・ショー協会というのがありまして、「バーナード・ショー研究」という学会誌も発行してます。
編集委員長はこんな本も書いていらっしゃいました。

バーナード・ショーへのいざない―Welcome to the Shavian World 生誕150周年記念出版バーナード・ショーへのいざない―Welcome to the Shavian World 生誕150周年記念出版
日本バーナードショー協会

文化書房博文社 2006-11
売り上げランキング : 898045

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


これも読んでから見ると面白かったかも。

バーナード・ショーといえば、マイフェアレディの元になったピグマリオンが有名だけど、多くの作品が戯曲とともに映画化されています。

バーバラ少佐も映画化されていて、ユーチューブでもアップされているものがありますね。
映画の冒頭かな、バーバラの演説シーン。


芝居だと2幕になるビルの乱入シーン


その他にもありますがこの辺で。

イギリスではシェイクスピアシアターで上演されていますね。


バーナード・ショーはこんな顔でした。
c0139575_19161174.jpg

バーナード・ショー名作集バーナード・ショー名作集
バーナード ショー 鳴海 四郎

白水社 2012-05-18
売り上げランキング : 90461

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

【政治】鳩山後の苫小牧はどうなるんだろうね:2012年11月22日




せっかく、「のぼうの城」「とまチョップ」で苫小牧に良いイメージが付きそうだったのに、
なんだか、このヒトの引退話で台無しになった感がある。

flash.jpg

不出馬にあたって

政界を引退するにあたって、二つだけ、後輩の政治家の皆さん、同志の皆さんにお願いしたいことがあります。



沖縄と平和外交だそうです。

でも、その問題はあなたが大きくしたんですよね?鳩山さん。
結局、野田さんは、鳩山-菅の2代の総理が大きくした穴を繕いきれずに、さらに消費税増税という重しを入れて、民主党政権という袋を破いちゃいました。そして民主党を純化して、制作の矛盾を少なくしようとしているように見えます。

そんな、自分が作った民主党に残る人たちに鳩山さんはこんなことを書いてます。

私が愛した民主党の同志たちには、どうか、結党の理念を思い、弱き者、小さき者の声に耳を傾ける政治をしていただきたい。
 見えない放射能におびえる、若い母親たちの気持ちに、心を寄せる政治をしてもらいたい。それは、理屈や数字だけの事柄ではないのです。
経済や金融をもてあそび、ここでも勇ましい発言を続け、先祖返りをしようとしている人びとや、目先の人気取りで離合集散を繰り返す人びとと、きちんと闘って下さい。
 敵を見誤らないように。
敵を見誤らないために、繰り返します、常に、弱者の声に耳を傾ける政治を心がけて下さい。



こういう政治家にしては「ロマン」のあることば、
「友愛」の精神を語れる政治家として、
地元でも女性たちには絶大な支持がありました。
婦人部が鳩山さんの地盤を支えていました。

でも、そのロマンやら友愛やらは、お題目で、
実行力が伴うものではなかったというのが
総理時代の行動からわかったことだったのではないでしょうか。

それでも、地元は鳩山さんに政治家でいて欲しかったらしい。
一度は引退を口にしたものの、地元の反対に翻意したわけで、
それでも今度ばかりは、引退を余儀なくされました。
理由は、民主党の公認が取れそうにないからとありますが、
友愛党でもなんでも作ればいいじゃないですか、資金はあるし、地盤は固いんだから。
でも、そうしないのは、鳩山さんの中で何かが切れたんでしょうか。

鳩山さんはこの挨拶をこう結んでいます。

次代の日本を担うあらゆる若者に万感の思いを託し、引退の弁に代えさせていただきます。ありがとうございました。



鳩山さんのあとに誰が民主党から北海道9区を担うのか。
それは、「若者」なのか。それともロートルなのか。

自民党は道議だった堀井学さんを立てました。
民主党も道議なんですかね?

【iPadミニ】電子書籍っていいですね:2012年11月22日




iPadが家に来て10日。使い出して1週間というところですが、もっぱら本を読んでます。

のぼうの城 上 (小学館文庫)のぼうの城 上 (小学館文庫)
和田 竜

小学館 2010-10-06
売り上げランキング : 118

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


これを読んでました。
Kindleのアプリをダウンロードして、アマゾンで買った本を見るのってほんとうに楽。

おじさんは目が悪いので、もう本当に本を読むのが一苦労なんですから、画面表示については色々調整しますよ。

最初は、なんだか小さい文字を見なきゃいけないなとか感じてたんですが、
文字の大きさ、画面の中での表示行数などを調整し、ついでに背景をセピアにしています。
白っぽいよりも紙の質感が感じられそうな気がして。

2012-11-22 12.40.16

表示画面の右上のローマ字が文字サイズの大小が選べる奴。
そこをクリックすると、上から
画面の明るさ、
文字サイズ、
フォント、
背景の色(黒だと文字が白抜きになります。明るくなくて良いという人もいる。)
表示レイアウト(行数と、一行の文字数が3パターンから選べる)

これで、見やすさが大きく変わります。

電車の中や、ひとりメシのお供に本を読むことはよくあるのですが、
このところ、文庫や新書だと文字の大きさに抵抗があったり(要は見えない)
やっぱり片手では持ちにくいと感じたり(力がなくなってきた)

それがiPadミニだと、文庫本や新書よりは大きいですが、単行本よりは小さいくらい。
重さも単行本程度ですし、本より薄いので何より片手で持ちやすい。

読みかけでも、次にKindleアプリを押せば、そのページから始まりますしね。
どこまで読んだか栞で探さなくてもいい。

思った以上に、電子書籍との相性が良かったiPadミニ。
このところ、読者量が減っていたのですが、取り戻せるかもしれません。

なので、続きを読んでます。

のぼうの城 下 (小学館文庫)のぼうの城 下 (小学館文庫)
和田 竜

小学館 2010-10-06
売り上げランキング : 128

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

【観劇】「いのち」を問う対照的な作品で演出家が見せたかったものはなんだろう?:朝に死す、葉っぱのフレディ:2012年3月25日(転載)





タイトルで全てなんですが、24日に銀座・みゆき館劇場

ドアーズ3月公演「葉っぱのフレディ」と「朝に死す」



>生命をテーマに、小作品、良作品をお送りします。

『朝に死す』

は生きることへの渇望を。

『葉っぱのフレディ』

は生命の繰返しを描きます。



ということなのですが、なんとも対照的な二本。

Performance_img_1



ストーリーをシアターガイドのサイトから引用すると、

>『葉っぱのフレディ』

葉っぱのフレディはこの春 大きな木の梢に近い太い枝に生まれました。

春に生まれたフレディは、どの葉っぱも自分と同じ形をしていると思っていましたが、

やがてひとつとして同じ葉っぱはないことに気がつきます。

フレディの親友のダニエルから自分たちは木の葉っぱだということ。そして繰り返す季節の移り変わりの話を聞きます。  春が過ぎ、夏、秋、そして冬…。

とうとう散ってしまう葉っぱたち。それは死ぬってことなの…?

繰り返す物語の音楽劇。



 



『朝に死す』

ずっと長く続くコンクリートの壁の前、そこに男が女を背負ってやってくる。

男は何かに追われている様子。女は足にけがをしている。

男が仲間を裏切ったことで撃たれそうになったところを、そこに飛び込んできた女に弾が当たり…男は女をおぶって逃げてきた。

そこから二人の奇妙な会話が始まる。

清水邦夫作品の初期の作品。青く、熱く、脆い…ある男と女の話。



葉っぱのフレディが30分、朝に死すが50分と短いもの二本の組み合わせ。

それでも、80分ですから、ちょっとした芝居1本よりも短い。

お得なのか、それとも……。



結果は、お得でした。

どちらかの芝居が好きな人は、もう一本はまず自分から見には行かないだろうと思うんですね。

それくらい対照的というか異質な2作品。

私も「朝に死す」の方に出るマイミク荒井ゆ美さんが出てなければフレディは見なかったと思う。



でも、それを2本一緒に見せたかった演出家の意図は、

「いのち」は消えるものであり、その消え方は様々だということなのでしょうか。



葉っぱとしての意義と意図を知り、満足して消えて行くフレディと、

なぜ生まれてきたのかを掴みきれず、信じきれないままに理不尽に殺される二人。



海外作家の絵本を元にした21世紀の子供向け音楽芝居と、

60年代の若者向けアングラ芝居。清水邦夫作品「朝に死す」



どう考えても上演前に演出家の意図は掴みきれませんでしたが、

でも観劇後にはなんとなく心のなかに広がるものがありました。

「朝に死す」の最後のシーンの演出に、その意図が凝縮されていたからです。



追いかけてきたヤクザに無残にも殺された二人の男女。

受け入れることのできない、解消されない違和感が残るはずが

死んでいった二人の上に降り注ぐ光、救いを象徴するような音楽。

フランダースの犬でネロとパトラッシュが死んだ時のような演出でした。



どんな死にも救いがある。

生きることは死ぬことを考えることから始まる。



そんなことを伝えたかったのでしょう。

もちろん、それは3.11以降の演劇のテーマの主流となるものです。

そのために、この対立する二本を持ってきた演出家の意図は、

私なりにはつかんだつもりですが、でもそれでよかったのかどうかは自信がありません。



見た人それぞれが感じるべきことなのでしょう。

当たり前ですが。



今日までなので内容に踏み込んで書きましたが、

14時からなのでまだ間に合うかも。

観てみてください。

【観劇】龍馬っておいしい:龍馬を殺した女たち:2012年1月13日(転載)

うん十年ぶりに阿佐ヶ谷で降りました。



UnitBlueju第4回公演「龍馬を殺した女たち」を見に行ってきたのです。



O0595084211629821543



この演劇Unitの公演は第1回から欠かさず見ておりまして、劇評と言うか感想をブログに書いてきました。



第1回:ごった煮の楽しさ:【観劇】behind the stage



第2回:楽しいとは思うけど:【観劇】監獄彼女



第3回:役不足なの?力不足なの?:【観劇】似非紳士



だんだん辛口になってますね。

これも、作・演出の広光美絵さんへの期待の高さがさせるんです(と言い訳)



さて、今回は初めて初日に見に行くので、事前に広光さんにチケットをお願いし(もちろん有料です。招待券をねだったりはしません)行くと宣言して行ってきました。

前回公演で酷評したのが気になるらしく、公演前にお目にかかった時も「感想お願いしますね。受け止めますから」とか言ってました。



で、公演中ではありますが早速エントリにしました。



場所はザムザ阿佐谷

私はこの小屋は初めて。不思議な形状のビルの地下を降りて行くと、結構な広さの客席(120くらいでしょうか)。しかも内装に廃屋の木材を使っていて、おしゃれな居酒屋みたいですが落ち着きます。



会場は満員御礼。すでにチケットも完売らしい。

今時の劇団らしく、事前の広報も上手だし、Youtubeを利用したり、できることはみんなしているのが好感を持てます。





今回は公開ゲネプロや公演後のアフタートークにもチャレンジしてました。

この規模で公開ゲネプロに人が入るのがすごい。

普通は、招待券を配ってみてもらうものですが、業界での期待も大きいのでしょうね。



さて、肝心の芝居ですが、公演中なのであらすじは言えませんが、



>日本舞踊×芝居×洋舞×ピアノの新感覚ミュージカル

慶応3年、11月15日、坂本龍馬暗殺の日-。

殺される前に龍馬に接触した女たちがいた。

ある女は龍馬の幼なじみ、ある女は龍馬の弟子、ある女は龍馬の仕事仲間、etc

生前の龍馬と懇意にしていた女8人、しかし話していくうちに、女達の本性が暴かれていく



 



京都見廻組でも新選組でもない容疑者をあなたは目撃する-!



ということで、女性8人による龍馬暗殺当日に何があったかを語る話。



このUnit得意の踊りと唄が途中に入ります。

ダンサーがぽっちゃりタイプが多いのが気になりましたが、

日本の演劇人の変化、特に女性は踊りや唄の訓練を積んだ人が多くなっていることを思いました。



30年ほど前に遊眠社が踊ったり、第三舞台が踊ったりした頃は、「芝居中に踊るな」という客もいたくらいですが、キャラメルボックスくらいから踊る演出が増えてきて、最近では、踊る役者さんが本当に多くなりましたね。

しかも上手になっている。

役者としての粒は小さいけど、いろんなことが出来る人が増えて底辺が厚くなった感があります。

ブロードウェイみたいに頂点が高く、底辺も広く厚い状況にはかないませんが、少なくても30年前との変化を改めて、彼女たちを見て感じました。



唄も、独唱だけから、最後の8人での合唱が入ってきて、音楽性がアップしたのはピアノの小島さんのおかげでしょうか。

劇中の効果音やBGMもほとんどを生で弾いているというのが、素晴らしい効果を生んでいました。

ただ、役者がピアノの音に負ける時があるのが気になりましたけどね。

それほど、ピアノは素晴らしかった。



全般に演出力の向上を感じました。

役者の独白シーンで無駄な暗転を無くし、見る側の気持ちを途切れさせないようになっていました。

前回公演では、そこが気になったので、他の役者を後ろに立たせたままで、前で誰かに芝居をさせるのは良かったと思います。



本は、相変わらず「これは」というセリフがないけど、それでも最後まで気持ちを切らずに見せる構成になっていたと思いますね。

普通の言葉の積み重ねで物語を際だたせるのはじつはスゴク難しいので、脚本家としての力も上がってきたのでしょうか。

どうしても、野田秀樹、鴻上尚史、三谷幸喜の世代な私は「このセリフ」というのが欲しくなるのですが、詩的でも散文調でも五七五でもないフツーのセリフ術が、この人の持ち味かもしれないなと思い始めています。



そこにいない龍馬を描くというと、三谷幸喜の「竜馬の妻とその夫と愛人」を思い出すのですが、





竜馬の妻とその夫と愛人 [DVD]竜馬の妻とその夫と愛人 [DVD]
三谷幸喜

東宝  2003-05-21
売り上げランキング : 55349

Amazonで詳しく見る
by G-Tools




竜馬の妻とその夫と愛人 [DVD]竜馬の妻とその夫と愛人 [DVD]
三谷幸喜

TBS  2006-03-01
売り上げランキング : 79062

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


8人の異なる関係性を持った女たちで龍馬という人物を描き出すという試みは成功していたのではないでしょうか。ただ、それは作者の力量以上に、龍馬というキャラクターが見る側に定着していたからのような気もします。



私も龍馬好きですが、「龍馬伝」や「仁」などで描かれた坂本龍馬というキャラクターが持つ「オトコっぽさ」「オンナがほっておかない」「懐の大きさ」「やんちゃだけど憎めない」などという残像を、観客が勝手に付与してしまうことで、役者のセリフへの共感が大きくなるわけです。



そうした「お得感」が龍馬というキャラクターにはあって、それが功を奏していたのではないかと思ってしまうのです。

それがタイトルの「龍馬っておいしい」という私の感想につながっています。



余談ですが、おりょうを演じた吉川麻美さんって、若い時の広光さんに似ている気がしたんですが気のせいでしょうか?(誰に聞いてるんだ)



ということで、今回は見終わったあと実に気分良く広光さんに「良かったよ」といえてよかった。



ただ、それが龍馬だからなのか、広光の腕が上がったのかは次回作次第ということで。



すでにチケットがないかもしれませんが、当日券があればぜひ見てください。





龍馬が惚れた女たち―加尾・佐那・お龍そして第四の女お慶とは?龍馬が惚れた女たち―加尾・佐那・お龍そして第四の女お慶とは?
原口 泉

幻冬舎  2010-04
売り上げランキング : 640320

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



龍馬を愛した女たち龍馬を愛した女たち
坂本優二

グラフ社  2010-04-20
売り上げランキング : 679896

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



龍馬と八人の女性 (ちくま文庫)龍馬と八人の女性 (ちくま文庫)
阿井 景子

筑摩書房  2009-09-09
売り上げランキング : 527055

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



わが夫 坂本龍馬 おりょう聞書き (朝日新書)わが夫 坂本龍馬 おりょう聞書き (朝日新書)
一坂 太郎

朝日新聞出版  2009-11-13
売り上げランキング : 54271

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

【iPadミニ】買いました。届きました:2012年11月16日




10月26日予約開始というから、名古屋からの帰りの新幹線の中で予約入れたのに、
11月2日の解禁日ではなく、11月12日に届いたiPadミニ。

それだけ多くの方が予約したということなんでしょうけどね。
しかも、12日はゴルフに行っていて荷物を受け取れず、
ヤマトの営業所どめにして翌日取りに行く事になってしまいました。

さらに持って帰っても、その日は色々と忙しく構っている暇がなかったので、
さらに翌日になってようやく設定開始。

結局、14日にやったことといえば、初期設定しただけ。

いろんな方の開封の儀ブログエントリを見たので、誰もこんなものを見たくないのは知っているけど、やりたくなるのだよね。
14 - 1

iPad2と並べてみた。箱に入っていても小さい(当たり前だけど、こういうことにいちいち喜びたい年頃なのだよ)
14 - 5

開けるとみっしり入っている。
14 - 2

取り出すと、ACアダプタとライトニング=USBコードだけ。
このシンプルさが他社には真似できないのだよねえ。
14 - 3

スイッチを入れると起動する(当たり前)
14 - 6

この画面が見られるのは、このタイミングだけ。
14 - 4

ウェルカム画面にいろんな国の言葉が!
これに感動してしばらく見てしまう。
14 - 8

バカですね。

あとは、日本語を選んで、日本を選んで、アイチューンズにはつながずに、新しいアイパッドとして登録。

この日はなぜかWiMAXの調子が悪くて、ネットに繋がってもすぐ切れてしまい、できないことが色々ありました。

翌日、事務所のWi-Fiにつないで、アップルIDを入力して、すでに妻のiPadに入っていたり、昔iPhoneに入れていたアプリをダウンロード(ほとんど無料アプリですが)、さらに電子書籍系を入れてみたりしました。

持ってみた感じ、電車の中で電子書籍を読んでみた感じは、やっぱりいいです。
iPad2では持って歩く気が起きませんでしたが、これは持ち運びしたくなる。
出張の時などはMacBook Airを持って行く事が多いですが、書類を作るのでなければ、iPadミニで十分かも。

スケジュールとメールの確認と返事、書類のチェックが中心になりますからね。

PDFを見るアプリを入れないといけませんね。

スマホも要らなくなりそうなくらい気に入ってます。
3G回線なしなので、歩きながらとか写真をとってすぐSNSにアップという訳にはいかないですが、あんまり熱心にアップしてもねえと思い出していたところなので、いい機会かも。

スマホなしで、iPadミニとガラケーにしようかな。

【科学】サイエンスアゴラ2012に出店してました:2012年11月14日




先週の土日は、日がな一日、日本科学未来館におりました。

サイエンスアゴラ2012に、横串フィールドを出店していたからであります。

横串フィールドは、サイエンスコミュニケーションネットワーク横串会の年に一度のリアル活動のようなもので、ネットでの横串フィールド.ネットと、リアルの出展を連動させています。

リアルな場では、主に、会員の活動報告としてポスターを張り、ネットのほうでは、会員のサイエンスアゴラ関連企画の宣伝や、ネットでのサイエンスアゴラ情報の収集(Twitterとか、ブログとか)、当日のレポートなどを掲載しています。

今年で5年目になりますが、ネットとの連動を打ち出したのは当初からで、流行り始めたばかりのTwitterを入れ込んだり、当日のつぶやきをリアルタイム検索で入れ込んだりしてきました。
その情報については、本部にフィードバックしてきたので、最近は、ハッシュタグを自分たちから言い出したり、発信にSNSを取り入れたりしているようです。

さらに、過去にお弁当問題などで意見を突きつけてきた私たちですが、ついに、会員の中から自前でランチカーを呼んじゃう人まで現れ、実は、横串会会員はサイエンスアゴラをいろんな形で支えたり、動かしたりしてきたのです。

サイエンスアゴラについては毎年まとめてきました。

2009年:サイエンスアゴラ雑感

2010年:サイエンスアゴラ2010終わりました

2011年:サイエンスアゴラ2011に出展した感想

毎年のように場所が変わるので、変遷を見る思いがしますが、今年は初めて日本科学未来館の1階という主要会場になりました。しかも、出入り口の直ぐ側で人通りも感じやすい場所でした。

それだけに、いままでのサブ会場から眺める感じとは違った感覚があります。
どまんなかにいながら、周りで動いているものが見えた感じ。

ここ数年の流れというか、変化が見えたようにも思います。

今年のテーマは「見つけよう あなたと「科学」のおつきあい」でした。
去年は震災を反映し、「新たな科学の種をまこうー震災からの再生を目指して」でした。
一年経って、震災からの復興が遅々として進まず、科学コミュニケーションについての反省も多い中で、もう「次へ進んでいる」感じが否めないテーマと言えます。

サイエンスアゴラも今年で7回目。横串フィールドは5回目。私は2年目に見に行ってますからこの6年を見ていることになります。

今年のサイエンスアゴラの「これまでの歩み」に書いてある「サブコピー」は、きっとサイエンスアゴラ事務局の「まとめ」なのでしょう。

第1回 サイエンスアゴラ2006 テーマ:科学と社会をつなぐ広場をつくる
2006年11月25日(土)~27日(月)  科学コミュニケーターの結集

第2回 サイエンスアゴラ2007 テーマ:みんなでつなごう未来のスイッチ
2007年11月23日(金祝)~25日(日)科学コミュニケーション関心層の拡大

第3回 サイエンスアゴラ2008 テーマ:地球の未来 日本からの提案
2008年11月22日(土)~24日(月祝) 多様性の拡大

第4回 サイエンスアゴラ2009 テーマ:地球の未来 日本からの提案Ⅱ
2009年10月31日(土)~11月3日(火祝)メッセージの発信

第5回 サイエンスアゴラ2010 テーマ:未来へつなぐ科学のひろば
2010年11月19日(金)~21日(日)  新たなセクターの呼び込み

第6回 サイエンスアゴラ2011テーマ: 新たな科学のタネをまこう—震災からの再生をめざして
2011年11月18日(金)~20日(日)  多様な参加者による創発の場づくり
  
このサブコピーに、事務局の思いというか意図が見えて面白いですね。

1回目はとりあえず始めたので知り合いに声をかけて、
2回目は思いがけず継続したから、もう少し周りの人も集めて、
3回目は中心人物も変わって、少し大きなことを言い出して
4回目はさらに仲間内だけじゃなくて発信しようよと言い出して
5回目は民間企業や研究所の情報発信の場にも使ってもらうようになって
6回目は震災を受けて、少し考えることもありますという感じで
7回目は、さらに中心人物が変わって、主催者も変わって変化した

ということが読み取れませんか?

去年のわたしのブログでも

サイエンスコミュニケータの内輪のお祭りから、
サイエンスコミュニケーションを発揮する外向きの場へと
今年は大きくチェンジしたように感じました。



と言っていますが、今年はさらに、その感じを強くしました。
そして、それは、同様にすでにサイトには書いてあることなのですね。

2011の「もう少し深く知りたい方へ」

サイエンスアゴラは、科学コミュニケーションを考え、実践し、そしてつながる「ひろば」です。
科学コミュニケーションの専門家のみならず、すべての方々に開かれる「ひろば」です。

多様な個人・団体による多彩な企画、そして自由な参加と対話、
サイエンスアゴラでは伝え手・受け手がダイナミックに入れ替わります。
その場を共有するひとりひとり、すべての人が主役となって、
広い意味での科学技術、立法・行政に関してあらゆる立場の人が
コミュニケーションを深める活動すべてを包含します。

JST主催のサイエンスアゴラ2011は、ポスト第3期科学技術基本計画を見据え、
「政策への国民参画の促進」をより強く意識します。具体的には特に、

科学技術への信頼を回復し、よりよい社会創成のための方策を考える場
関心度の高低にかかわらず、科学との付き合い方・活用の仕方を改めて意識する場
科学コミュニケーションを社会に浸透させる起爆剤
研究者の顔が見える場
となることを目指し、企画を出展される皆さまとともに「ひろば」をつくりあげていきます。



2012の「もう少し深く知りたい方へ」

サイエンスアゴラは、科学コミュニケーションを考え、実践し、そしてつながる「ひろば」です。
科学コミュニケーションの専門家のみならず、すべての方々に開かれる「ひろば」です。

科学コミュニケーションの理念は、科学技術をめぐる様々な問題を、科学技術の専門家集団だけでなく、社会全体の問題として多様な人たちが議論し合うことにあります。ただし具体的な実践方法については様々な工夫の余地が残されています。サイエンスの楽しさに触れてもらい、関心層の拡大を図る取り組みから、科学技術政策について論じ合うことまで、サイエンスアゴラは、科学コミュニケーションを行うための「ひろば(アゴラ)」です。

多様な個人・団体による多彩な企画、そして自由な参加と対話。サイエンスアゴラでは伝え手・受け手がダイナミックに入れ替わります。その場を共有するひとりひとり、すべての人が主役となって、広い意味での科学技術、立法・行政に関してあらゆる立場の人がコミュニケーションを深める活動すべてを包含します。こうした自由な意見交換の場を設けることで、多様な層の間でのコミュニケーションを促進すると同時に、科学技術がより身近な文化となることを目指しています。

サイエンスアゴラ2012は、引き続き「科学コミュニケーションの核」であり続けます。政策的な背景としては、第4期科学技術基本計画が掲げる「社会とともに創り進める政策の展開」を意識する中で、来場者・出展者ひいては広く国民が科学技術リテラシーを共有する機会に加え、科学技術と社会との関係を考える機会をより一層充実して提供していきます。


これに参考として、第4期科学技術基本計画の中の関連箇所が記載されています。

参考:第4期科学技術基本計画(平成23年8月19日閣議決定)
V. 社会とともに創り進める政策の展開
2. 社会と科学技術イノベーションとの関係深化
(2) 科学技術コミュニケーション活動の推進
科学技術イノベーション政策を国民の理解と信頼と支持の下に進めていくには、研究開発活動や期待される成果、さらには科学技術の現状と可能性、その潜在的リスク等について、国民と政府、研究機関、研究者との間で認識を共有することができるよう、双方向のコミュニケーション活動等をより一層積極的に推進していくことが重要である。 このため、研究者による科学技術コミュニケーション活動、科学館や博物館における様々な科学技術に関連する活動等をこれまで以上に積極的に推進する。また、これにより、科学技術に関する知識を適切に捉え、柔軟に活用できるよう、国民の科学技術リテラシーの向上を図る。



アゴラが、「みんなと作る場」から「行うための場」になったことが、読み比べるとわかります。

一緒に考える企画委員というのが2011にはありますが、2012にはありません。

主催する独立行政法人科学技術振興機構(JST)の関連ウェブサイト という文字が大きくなったのは、主催者としての自覚が大きくなったからでしょうか。

当然これは、JSTの組織改定で「科学コミュニケーションセンター」という組織ができ、その活動の一つとしてサイエンスアゴラを打ち出していることと無関係ではないでしょう。

つまりサイエンスアゴラは、なんだかわからないイベントではなく、JSTの科学コミュニケーションセンターの主催イベントとして位置づけられたわけです。
もちろん今までもJSTの主催イベントですが、科学技術コミュニケーション連携推進事業の一つであり、JSTとしては階層の深い、主要ではない事業であったことは間違いないわけで、予算と担当者はいても、それほど目を配られては居なかった感があります(北澤前理事長は気にしてくださってましたが、組織としては鬼っ子でした)。
しかし、毛利センター長の直轄事業として、日本科学未来館を使った一大イベントとしての位置づけができ、予算が増えたようには見えませんが、JSTの主力事業となった感じがしました。

そういう変化が、中身にも運営にもプンプンと臭っていましたし、会場の空気がなんだか硬いように思われました。
勝手連的な盛り上がりとか面白みにかけるというか、悪ふざけが足りないというか、肩肘張った感があるというか、大変感覚的でしかも、全然実態を伴わない話しなのですが、そういうカンジがするのです。

それは肌で感じるものなので、偏見と言われるかもしれませんが、そう思ったものは仕方がない(開き直った)

すでに多くの方がFacebookやらTwitterやら、ブログやらで、そうした変化への違和感をお書きになっています。
また、それは、良い変化なのではないかという意見も聞こえてきます。

そして、私は、これは必然の変化で、サイエンスアゴラというイベントの発展的進化にとっては良かったのではないかと思っています。

ただ、もう、あの第1回、第2回にあったような「ごった煮感」には戻れない、ということです。
でもそれは、勝手なノスタルジーかもしれない。
そうなんですけど、それは私には魅力的な場ではないように思うのです。

先程も書いたようにサイエンスアゴラは、みんなでより合って何かを作る場ではなく、行う場になりました。
サイエンス・コミュニケーションについて、もやもやと考える場ではなく、普段のサイエンス・コミュニケーションについての成果を発表する場、団体や企業や大学や組織がサイエンス・コミュニケーションを行う場になったのです。

それはひとつの変化ですが、ひとつの純化でもあります。

サイエンス・コミュニケーションについて考える場は、研究の場としてはSTS学会とかになるかもしれないし、科学コミュニケーション研究会とか、そういう学究的な場になるのかもしれない。

じゃ、街なかで活動している市井のサイエンスコミュニケーション実践家は、普通の市民はどうすればいいのか。

それは、実は、サイエンスコミュニケーションネットワーク横串会の次のテーマなのかもしれないとは思っています。

【科学】長期的視点が科学を支えるのだなあ:2012年11月9日




科学研究は、平均値と傾向の時代から、個体差と多型の時代に入っているなあと思うわけですが、平均を取るのは、今眼の前でも何とか出来ますが、実は個体差を見るには、かなり多くのデータが必要です。
そうした研究を支えるデータや資源というのは、実は長期間にわたって集められないと整わないもので、突然できるものではないわけです。
だからこそ、国の体制とか長期的な視野が問われるのですね。

なんでそんなことを言い出したかというと、まさに個体差と多型の時代だから重要になっているデータベースの存在を知ったからなのです。

双子のデータベース、さまざまな研究で活躍@WSJ

【ストックホルム】医学の最大の難題の一つは、生まれつきのものとそうでないものを区別することだ。これが双子のデータの宝庫であるスウェーデン・ストックホルムの研究所に世界中の研究者からデータの依頼が集まる理由だ。研究者は認知症の原因を調べたり、金融分野のリスクテーキングといった経済的行動の理解を深めたりする目的で、データを依頼している。



昨日、ツイッターで見かけて【面白い】と思ったのですが、なかなかに味わい深い記事です。

 50年前に設立された「スウェーデン双子レジストリー」には、10万組近くの双子の出生データ、医療記録、その他の情報があり、この種の情報源としては世界最大かつ最も古いと考えられている。



日本でも「双子研究」というのは長期間にわたって行われてまして、有名なのは東大附属中等教育学校でしょうか。
6年制なので、中高一貫というわけですが、これは東大付属といっても、東大に入りやすいわけではなく、東大と連携し、東大の教育研究を支える現場ともなっています。

本校は、その名称の通り、東京大学教育学部の附属学校です。名実ともに、わが国有数の総合大学である東京大学の知の財産を活用し、他の学校には真似できない、本校独自の教育活動を行っています。
これまで本校では、東京大学総長や副学長による授業や、 東京大学の施設を利用した行事を行ってきました。 今後も大学附属の学校であることを生かし、東大全学と連携を取りながら、その豊富な知的資源を活用した授業や行事、 研究活動を行っていきます。



で、この東大付属では双子が多いことが有名です。
学校のホームページのFAQにも質問があるくらいです。

Q6. 双子の生徒ってどのぐらいいるの?
双子の生徒は各学年に10組くらいいます。したがって、 各クラス(40人定員)に7人前後の双子の生徒がいます。しかし、 双子の兄弟姉妹が同じクラスにはなることはありません。 (ただし、後期課程などの選択授業では同じクラスで学習することもあります。)
双子の生徒たちは「東大附属では双子が多いので、 特別に双子であることを意識させられることはない。 とても居心地がよい」と話しています。



それは双生児研究を進めてきたからなのです。

双生児研究

本校では双生児を生徒として数多く入学させ、さまざまな実践や調査、 ケーススタディなどを通して双生児研究をすすめています。 また、双生児法による研究活動は、 双生児を通して「遺伝と環境」について調査をすすめ、 それを広く一般教育に役立てようという創設時からの考え方に基づいているものです。 これらの研究成果は『東大附属論集』の各号、 『双生児』 (日本放送出版協会、1978)、 『ビバ! ツインズ』 (東京書籍、1995)に収録されています。



ということで、双子というのは、一卵性であれば遺伝子が一緒ですから遺伝と環境の研究にはうってつけの素材となります。日本では、この東大付属が有名であることは知っていたのですが、外国はどうなのかと思っていたところ、この記事を見つけたわけです。

 このレジストリーの責任者で認知症の研究に取り組んでいるPaul Lichtenstein博士は、双子の研究によって「われわれがこうあるのはなぜなのか、生まれつきなのかそうではないのか、という永遠の疑問」を追究することができると指摘した。このレジストリーはカロリンスカ研究所医学疫学・生物統計学の部門内に設置されており、世界中の科学者からデータベースの利用を求める申請書を受け取っている。こういった科学者の中には、現在注目度の高い遺伝子解析の分野や、遺伝子が環境的な要因によってどれほど変わり得るかを研究するエピジェネティクスの分野の人もいる。双子のレジストリーは世界中で増えており、アジアの何カ国かには比較的新しいレジストリーも存在する。



カロリンスカ研究所というのは、ノーベル賞の生理学部門の選考委員会があるところですから、世界トップクラスの医学系研究所。
そういう重要な位置づけの研究所内にあるのも、素敵です。

しかも、出来た経緯が面白い。

 このレジストリーは1950年代終わりに設立された。スウェーデンのたばこ業界から資金を得た同国の研究者2人が、当時結論が出ていなかった、喫煙が健康に悪いことを示す証拠について研究しようとしたのがきっかけだった。研究の目標は一部の人が遺伝的にがんになりやすいのか、それともたばこの煙に含まれる化学物質によって健康に影響が出る可能性があるのかについて明らかにすることだった。喫煙習慣に違いがあるにもかかわらず、双子ががんを発症する確率が同等であれば、喫煙に発がん性がないことが示されるはずだった。



そして、結果は出資者には意外なものでした。

喫煙が実際にがん発症リスクを高めることが示されたため、プロジェクトの資金提供者は資金を引き揚げたのだという。



まあ、そりゃそうだなのですが、この資金提供者は結局端緒を開くことになったわけですから、よいことをしたわけですね。ガッカリはしたでしょうが。

そして、この研究者が目をつけた「双子」のデータは、元々スウェーデンには長く蓄積されていたという有利さがありました。

2人の研究者には研究対象にできる膨大なデータがあった。スウェーデンで生まれた双子は町の教会区の牧師によって記録されており、その記録の最古のものは1800年代にさかのぼる。この記録は、住民の基本的な健康情報の記録とともに、スウェーデンや欧州のその他数カ国で現代まで取り続けられている。



双子というのは世界的に、いろいろな理由で喜ばれたり忌み嫌われたりしていますが、神秘的な存在であることは間違いないので、注目され、(悪く言えば)見張られているんですね。
それが、研究のベースとなり得たというわけです。

スウェーデンの風土があって、このデータベースが出来たとも言えます。
そして、それにお金を出した人(失敗だったのでしょうけど)がいて、研究を続ける人がいて、いつの間にか最先端の研究成果を支える世界の役に立つものとなった。

こういうのが、地道だけど知的な成果を生む国の成果なのだなと思いますし、日本も、長い目で研究を支える国であって欲しいし、総いう人が生まれる風土を持っているといいなと思います。

で、そういう長い期間かかる研究をひとつご紹介したいのです。

長い期間同じ人を追いかけてデータを取り続ける研究を「コホート研究」といいます。

日本ではなかなか予算がつきにくい研究でしたが、ここ数年、子どもの発達とかガンのリスク調査などでコホート研究が行われています。

先日行ったサイエンスカフェで、長谷川真理子先生が、このコホート研究が行われることを話しておられました。

文科省の新学術領域研究「精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学」という研究の中で『青春期の発達・健康調査(予備調査)』というのが行われるということでした。

思春期を挟んで、10年くらい継続して子どもたちの成長を見ようというもので、4000人調査したいとか。
意欲的なものなので、ぜひ成功してほしいなと思い、ここに情報を載せておきます。

【科学】行動生物学サイエンスカフェに行って来ました:2012年11月7日



11月6日に東京大学駒場キャンパスで開催された行動生物学サイエンスカフェに行って来ました。

日本学術会議行動生物学分科会の主催で、東京大学進化認知科学研究センターの共催。
飲み物、お菓子代金として参加費500円を払って参加です。

コクチーズを使った応募サイトによると

行動生物学では、動物の行動から普遍的な法則を導き出す研究をすすめています。ところが、そのような研究の中からも、動物のさまざまな個性が見えてきます。このサイエンスカフェでは、サケが川のにおいをかぎ分ける行動、マウスの同情心、犬と飼い主の関係性、霊長類の子育て、巣を飾り立てるニワシドリの個性、ジュウシマツに見られる好奇心の個体差などを紹介して、動物の個性を適応戦略のひとつとして考えてみようと思います。そこから、人間の個性についても生物学的に考えるきっかけが出てくることでしょう。



ということで、テーマは「個性の行動学」。

話題提供者がサイエンス・カフェという割には一人ではなく、豪華メンバーでした。

長谷川真理子(総合研究大学院大学)
長谷川寿一 (東京大学)
上田宏 (北海道大学)
上田恵介 (立教大学)
仁平義明 (白鴎大学)
岡ノ谷一夫 (東京大学)
渡辺茂(慶應義塾大学)

その分野の錚々たる方々で、日本学術会議の行動生物学分科会のみなさんです。

3号館113号室という普通の講義室で開催されましたが、関係者、参加者で会場は満員。
30名以上参加したんじゃないでしょうか。

お話は、岡ノ谷先生を皮切りに「動物にも個性があり、性格がある」というような内容でした。
これまで動物の中にある共通性を科学は扱ってきたわけですが、個体ごとの差異というものにも進化的な意味があるといえるのではないか、という視点からの研究が増えているらしいです。
長谷川真理子先生が「ビヘイビア・シンドローム behavior syndrome」という言葉を使い始めていることを紹介されていました。
なんだか恐ろしい病気みたいな名前ですが、ある行動パターンの多様性をひとまとまりにして扱うというようなことのようです。

ある行動をサルがはじめるにあたって、その個体が「好奇心が強い、怪我が絶えない」と仁平先生が紹介されていましたが、お調子者、新しもの好きというのがサルにもいて、それがそれまでにない行動を開拓していくのでしょう。
その辺は、人間にも共通していそうですね。
しかも人間は、さらにその傾向が強い動物であるとも言えそうです。

そういう「動物研究を人間にフィードバックする」という視点で、もう少し研究のお話をふくらませていただけると、専門家でない参加者にわかりやすくなったように思います。

大変面白い話題が多かったのですが、何分にも2時間程度なので、みなさんのお話を聞くだけで精一杯でした。
また、サイエンスカフェということで、コーヒーとお菓子が出るわけですが、さらにサロンというか、話題提供者を囲んだ雰囲気をもう少し出せる場所だと良かったように思いました。

一回性の場と人からでは、サイエンスカフェにはならないのだということも、改めて感じました。
サイエンスカフェは、方法や形式ではなく、場と人のあり方のようにも思います。
大学の教室でコーヒーとお菓子を挟んで話を聞いたり質問したりするのも、新鮮味があって良いものですが、やはりサイエンス・カフェはないなあと。

カフェという言葉に象徴される「場作り」、「関係づくり」がサイエンス・カフェなのではないかと、言うようなことを考えさせてくれた場でした。


【政治】田中真紀子大臣の大学許認可発言に思う:2012年11月7日




このところ、Facebookやツイッターでも話題になっている大学許認可問題。

いろんな議論があったけど、秀逸だなと思った比喩が、東大の佐倉統先生のこのツイート




このツイートをFacebookでシェアしたわけですが、色々見ていくと、佐倉先生はその前には、こんなこともツイートしていらした。


その前には、熊谷千葉市長のつぶやきを佐倉先生がRTしていた。


そして続きが




こう続けて読んでみると、私がさらに付け足して書くことはとくにないのだけど、折角の機会なのでブログでまとめてみることにしました。

私は、個人的には、大学建てるのも潰れるのも商売だと思います。
なので、文科省が許認可を振りかざすことそのものに疑問を持っていますが、大学を取り巻く問題で言えば、入試が厳しくて卒業が緩いこの国の教育のあり方同様に、許認可がキビしくて、立ってしまったらこっちのものというような、継続の緩さのほうが問題ではないでしょうか。

審査基準は、継続の方に設けてはどうなのでしょうか?
潰すべき大学は潰し、ヤル気のある新設校を募集したらどうなのでしょう。
だらだら設けるためだけに、さしたるアウトプットもないままに運営されている大学がある方が、よっぽど国益を害するでしょう。

話を戻して、民主党がなぜ、この田中大臣の発言を許したのかが気になります。
多分、解散しないことで頭がいっぱいでよく考えていなかったのでしょう。
文部官僚の決定に逆らう「いちゃもん」は民主党としては、これまでの「政治主導」に鑑みて、是としたのかもしれません。

でも、設置審査会自体は、申し込まれればみんな通しているわけではないので機能しているわけです。
それを、いきなり答申に対して、委員の資質に関わるようなこと(大学人ばかりだとか)を言って「後出しジャンケン」するのは、田中大臣に無理があるでしょう。

「後出しジャンケン」は民主党の得意技であり、この数年、様々な面から「後出しジャンケン」で日本を揺るがしてきたわけです。
でも、結局その声も「言うだけ」で「先送り」になるばかり。
この国の新機軸を打ち出すものにはならなかった。
当初はそうした「いちゃもん」に快哉を叫んでいた国民も、すっかり「飽きて」「嫌気が差して」しまった。

確かに、文科省の許認可手続きは田中大臣お得意の「庶民的な視点」で考えると、おかしな事ばかりなのでしょう。しかし、その手続を改めることと、すでに1年近くの委員会をくぐり抜けた答申をひっくり返すことは、佐倉先生も熊谷市長も指摘されているように、別の手続きであるべきです。

やはり、この答申は通すけど、そのプロセスに疑問があるので、新たな基準を作ります、とすればよかったのではないかと思うわけです。

また、今回の新設3大学には、短大から四年制への移行が2校あるのと、公立大学が含まれている点を見ても、許認可のダメを出すのに無理があったなと思います。自治体絡みで反抗してくるし、各大学の実績などを見るとダメである理由が見つけにくいわけですし。

そういう点でも、田中大臣の思いつき勝負にしては、分が悪過ぎますね。

私が今回感じたのは、文科省と張り合うにしても、世論とくにマスコミの論調を味方につけるべきなのに、これまで世の中の動きを感覚で捌いて、自分に有利な動きを作ってきた田中真紀子にしては、その点の分析が甘いというか、彼女も老いたりということでしょうか。

さらに言えば、文科省官僚のダメさ加減が露呈したわけですね。

なぜ、答申を通して、審査基準を新設するような落とし所に持って行け無かったのか。

事業仕分けで「2番じゃダメなんですか?」と問われて「ダメです」と言えなかった時から文部官僚が大きな声に弱いのはわかっていましたが、今回の騒動で、その感をさらに強くしました。

右から左に通すための「作文」はするけど、積極的な「対論」はできないのですね。

実は今回の騒動を通して、最も私が懸念するのは、この官僚の弱体化です。
政権交代が度々起こりうることが予想される、現在の政界の流動化が進む中で日本が右往左往しないようにするにはどうすれば良いか。
そこで、日本国が国際的なステイタスを保っていくような一貫性を持っていられるかどうかは、やはり官僚の能力にかかっているわけです。

それは、官僚支配というようなこととは別の面で、国益に対して官僚が毅然と政治家と対峙していられるかどうかなのです。政治家が私利私欲や選挙区への利益誘導に走らないように、国益に即して働くのが官僚の仕事だと、私は思います。
もちろん政治家が国益に即して、大きな変化を求めるときは率先して協力し、実務を牽引するのも官僚です。

官僚が政治家の一挙手一投足で右往左往してはいけないことを、今回の騒動は示しているのではないでしょうか。

【まとめ】10月の「エフの次はG」の記事:2012年11月1日



もう一つのブログ「エフの次はG]で10月に書いたツイートまとめ以外の記事をまとめておきます。


【メモ】OKIDOKIポイントで気づいたこと

マイルを効率良く貯めるにはどうしたらよいかを考えています。

【野球】栗山日ハム優勝で考えるプレイヤーとマネージャー

日ハムの優勝はなかなか面白い示唆に富んでいます。

【ゴルフ】7本でもスコアなんて変わらないものですね:伊香保ゴルフクラブ清瀧城コース

軽くていいですよ7本ゴルフ。

【ゴルフ】PRGRのナブラがウチにやってきた

モニタでドライバーがあたりました。モニタなので返却するんですけどね。

【経験】東京とまこまい会に行ってきた

とまチョップを見に行って来ました。

【記念】南青山ルナが1周年を迎えました

早いものですね。

【ゴルフ】ナブラをコースでテストしてきました:千代田カントリークラブ

練習場とコースではどうして違っちゃうのでしょうね。

ということで7本書いてました。
そちらもよろしければどうぞ。
amazon
楽天市場
Yahoo!
楽天
FACEBOOK
RSSフィード
add
プロフィール

fujita244

Author:fujita244
2000年から新宿在住。
21世紀とともに新宿を闊歩。
高度成長期の一億総中流育ち
頭も身体もサイズM。
フツーのオッサンから見て
フツーじゃなさそうな話を
書いています。

2011年12月に
「若だんなの新宿通信」から
「フジタツヨシの新宿通信」
に変更しました。

2012年12月20日にはてなブログも始めました。
「fujita244's field」です。
2013年2月1日からゴルフ専用のブログもはじめてます。
「fujita244のゴルフBK」です。
2つのサブブログもよろしくお願いします。

リンク
検索結果
カスタム検索
Twitter
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

カテゴリー
月別アーカイブ