タイトルがなあ:【本】電子書籍革命の真実
タイトルに二の足を踏んでしばらく読まなかったんですが、
すばらしい本でした。
実に丁寧な取材と現場感覚にあふれた【電子書籍】の状況を活写した本です。
「電子書籍革命の真実」(エンターブレインサイト)
【目次】
序 章 はじめに~ソニー vs. シャープ~
第1章「日の丸」電子書籍端末の船出
第2章「プラットフォーム」に勝負をかけろ
第3章 電子書籍を隔てる「壁」の正体
第4章 ぼくらになにが起こったか
第5章 電子書籍が「変えるもの」とはなにか
【主な取材先(敬称略、順不同、役職は刊行時のものです)】
・野口不二夫(米ソニーエレクトロニクス シニアバイスプレジデント)
・大畠昌巳(シャープ 情報通信統括 兼 通信システム事業本部長 執行役員)
・大沢在昌(作家)
・福井晴敏(作家)
・吉本佳生(エコノミスト・作家)
・角川歴彦(角川GHD 会長)
・大湊 満(凸版印刷 常務取締役)
・北島元治(大日本印刷 常務取締役)
・樋口清一(日本書籍出版協会 事務局長)
・細島三喜(日本電子書籍出版社協会 事務局長)
・牛口順二(紀伊國屋書店 営業総本部 営業推進本部 本部長 理事)
・八田亮一(日本経済新聞社 デジタル編成局編成部 兼 編集局 電子新聞編集本
部 次長)
・今泉憲志(ダイヤモンド社 書籍編集局 局長)
・吉沢新一(講談社 ライツ事務局デジタルメディア推進部 部長)
・植村八潮(東京電機大学出版局 局長)
・倉持太一(Webooks 社長) ほか
内容は良い。それだけにタイトルが惜しい。
このタイトルと書籍デザインが、この本を「バッタモン」くさく見せている。
「真実」とか、「革命」とか「ミライ」とか、もう胡散臭さ満点のタイトル。
でも、中身は本当に日本の出版ビジネスで電子書籍に関わる人を丁寧に取材しているし、
ソニーやシャープなど2010年に大きく動き出したメーカーにも話を聞いている。
一番私が嬉しかったのは仕分けで問題になった電子書籍フォーマット統一の話を
担当者に話を聞いて問題を解きほぐしてくれたところ。
ここのところが知りたかったので。
さらに、著者自身が「iPad vs キンドル」の電子書籍化で巻き込まれたアップルのアプリでの問題も描かれている。
こうした現場感が満載なのが、この本の素晴らしいところだ。
実は電子書籍に関して、昨年色々読んだり、調べたりしていたのだけど、
佐々木俊尚さんのこの本(↓)が出たころに言われていたことと
出版社や編集者たちの現場の実感がズレているように感じていた。
最初は。それが出版社や編集者が「時代についていけてない」からだと思っていたのだが、
どうもそうでは(それだけでは)ないように思えてきた。
そして、それがePubが普及してないというような技術的なことや、
日本の出版社が手を組んでアマゾンやアップルを廃絶しているということでもないし、
ソニーやシャープの電子書籍リーダーがショボイということでもないようなのだ。
書籍の電子化と電子書籍の出版とは、だいぶ違うことのようなのだ。
このあたりは、まだ自分の考えがまとまっていないので、ここでは書かないけど、
その点では、漠然と考えていた違いの構図を、この本は取材に基づいて示してくれた。
そして、佐々木俊尚さんが昨今書いている内容に自分が感じる違和感がどこからきているのかもわかってきた。
その意味でも、タイトルに負けずに読んでよかったなという本だった。
すばらしい本でした。
実に丁寧な取材と現場感覚にあふれた【電子書籍】の状況を活写した本です。
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「電子書籍革命の真実」(エンターブレインサイト)
【目次】
序 章 はじめに~ソニー vs. シャープ~
第1章「日の丸」電子書籍端末の船出
第2章「プラットフォーム」に勝負をかけろ
第3章 電子書籍を隔てる「壁」の正体
第4章 ぼくらになにが起こったか
第5章 電子書籍が「変えるもの」とはなにか
【主な取材先(敬称略、順不同、役職は刊行時のものです)】
・野口不二夫(米ソニーエレクトロニクス シニアバイスプレジデント)
・大畠昌巳(シャープ 情報通信統括 兼 通信システム事業本部長 執行役員)
・大沢在昌(作家)
・福井晴敏(作家)
・吉本佳生(エコノミスト・作家)
・角川歴彦(角川GHD 会長)
・大湊 満(凸版印刷 常務取締役)
・北島元治(大日本印刷 常務取締役)
・樋口清一(日本書籍出版協会 事務局長)
・細島三喜(日本電子書籍出版社協会 事務局長)
・牛口順二(紀伊國屋書店 営業総本部 営業推進本部 本部長 理事)
・八田亮一(日本経済新聞社 デジタル編成局編成部 兼 編集局 電子新聞編集本
部 次長)
・今泉憲志(ダイヤモンド社 書籍編集局 局長)
・吉沢新一(講談社 ライツ事務局デジタルメディア推進部 部長)
・植村八潮(東京電機大学出版局 局長)
・倉持太一(Webooks 社長) ほか
内容は良い。それだけにタイトルが惜しい。
このタイトルと書籍デザインが、この本を「バッタモン」くさく見せている。
「真実」とか、「革命」とか「ミライ」とか、もう胡散臭さ満点のタイトル。
でも、中身は本当に日本の出版ビジネスで電子書籍に関わる人を丁寧に取材しているし、
ソニーやシャープなど2010年に大きく動き出したメーカーにも話を聞いている。
一番私が嬉しかったのは仕分けで問題になった電子書籍フォーマット統一の話を
担当者に話を聞いて問題を解きほぐしてくれたところ。
ここのところが知りたかったので。
さらに、著者自身が「iPad vs キンドル」の電子書籍化で巻き込まれたアップルのアプリでの問題も描かれている。
こうした現場感が満載なのが、この本の素晴らしいところだ。
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実は電子書籍に関して、昨年色々読んだり、調べたりしていたのだけど、
佐々木俊尚さんのこの本(↓)が出たころに言われていたことと
出版社や編集者たちの現場の実感がズレているように感じていた。
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最初は。それが出版社や編集者が「時代についていけてない」からだと思っていたのだが、
どうもそうでは(それだけでは)ないように思えてきた。
そして、それがePubが普及してないというような技術的なことや、
日本の出版社が手を組んでアマゾンやアップルを廃絶しているということでもないし、
ソニーやシャープの電子書籍リーダーがショボイということでもないようなのだ。
書籍の電子化と電子書籍の出版とは、だいぶ違うことのようなのだ。
このあたりは、まだ自分の考えがまとまっていないので、ここでは書かないけど、
その点では、漠然と考えていた違いの構図を、この本は取材に基づいて示してくれた。
そして、佐々木俊尚さんが昨今書いている内容に自分が感じる違和感がどこからきているのかもわかってきた。
その意味でも、タイトルに負けずに読んでよかったなという本だった。
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